グローバル社会学特論BⅡ
担当者山下 雅之教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSOC-330

授業の概要(ねらい)

フランス社会学にはフランス社会の理解が欠かせない。そこでは日本と異なった料理を食べ、日本にようなアイドルのいないスターたちをながめ、パンとチーズを毎日たべている。その現代のマンガや社会問題などにもアプローチし、同時に現代の日本の文化事象についておたく的に、やおい的に比較検討する。またワールドカップイヤーがコロナ下でいかなる意味を持つのか、カタールについて考えてみる。
基本的には、参加者の問題関心に合わせ、授業内容をカスタマイズする。

授業の到達目標

フランス社会学の起源とされる思想と、その歴史的な背景について一定の理解を得る。キーとなるのがナポレオン、そしてナポレオン3世。
少人数の参加者により、各自の問題関心を優先する形でその深化をめざしながら、とくにグローバルに展開する資本主義の情報・生産システムと、リアルにあえぐ個人的意識との落差から生じるパーソナリティの弱点に焦点を当て、文化的メディアの果たす役割を考える。とりわけ日本社会において重度を成すのがジェンダー格差を固定する傾向をもったアイドル文化と、これに反するやおい的世界観のあそび感覚ということになるだろうか・・
学科の修得目標としては
自らの問題意識に基づき、調査研究対象とする課題を設定できる、
さまざまな情報ソースから探し出した関連事例を用いて、課題解決のアイディアを出すことができる、
収集した資料を論理的に読み解き、客観的な視点よりそれぞれの解決手法の評価を行い、課題の解決案を考え出すことができる、
グローバルな社会状況に関心を持ち、自分と異なる背景をもつ人々と価値観・文化・歴史を尊重しながら積極的に交流できる、
を掲げているので、これに沿った内容を目標とする。

成績評価の方法および基準

授業内容を十分に理解し、自らの問題意識と重ね合わせてゼミで発表することができるかを総合的に判断する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献社会学的方法の規準エミール・デュルケム岩波文庫
参考文献フランスのマンガ山下雅之論創社
参考文献動物化するポストモダン東 浩紀講談社新書

準備学修の内容

授業内容に関連する資料の自主的な学習
各人の問題関心に合わせた十分な準備特に授業内でのプレゼンの活用を念頭に置く。
資料としては文献だけでなく、ネット上の文字データや画像、動画を活用できるようにする。
また日本語のサイトだけでなく、よりグローバルな視点から海外の外国語による情報も視野に入れてください。

その他履修上の注意事項

各自の問題関心を明確にし、その関連分野から資料を集め、分りやすくまた視覚的要素を重視してプレゼンの資料を作成して下さい。
以下の授業内容は一例です。具体的な内容は参加者との相談で決めます。

授業内容

授業内容
第1回グローバルにおける国境
第2回LGBTとパートナー契約
第3回コロニアルから移民社会へ
第4回国境なきヨーロッパ
第5回個人主義に基づく社会
第6回組織は何のためにあるか
第7回年功序列社会の限界
第8回異なる食文化を生きる・・・毎日がパン食
第9回アイドルのいない文化
第10回調理とソース
第11回フランスの料理人たち
第12回人類学の基礎
第13回植民地主義の学問的影響
第14回宗教現象と社会表象
第15回カカオからショコラへ