担当者 | 中田 好泰 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [法律学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | CIL-404 |
この授業は、教科書の各設問を検討することにより、具体的な事例を分析する能力を高め、公務員試験などの各種資格試験に対応できる力の養成を目指します。
取扱い分野は、民法の債権各論~不法行為等を取り上げます。債権法の基礎的な知識を再確認しながら思考の流れを板書して理解を深めます。
LMSには、教科書の各設問に関する答案例や参考判例等を事前に表示します。授業では答案例をたたき台として検討を加えていくことで、皆さんの答案作成能力の向上を目指します。
設問の検討を進めて行く中で、実際の民事裁判の状況や弁護士の弁護活動の模様について適宜言及します。
➀ 具体的な事例に対して条文や原理原則を当てはめて分析し解決する能力を身に付ける。
➁ 分析結果を踏まえて答案として形にする能力を身に付ける。
③ 知識の整理と確認を行うことによって公務員試験などの各種資格試験に対応できる能力を養う。
定期試験(100パーセント)で判断するのが基本です。試験の形式は、①正誤問題(4問)、②簡潔な事例問題(1問)を出題します。正誤問題では知識の正確性を確認し、事例問題では事例の分析能力を問うことを主眼としています。試験に際しては、教科書・ノート・六法・電子辞書などの持込みを全て許可します。
ただ、一昨年と昨年度はコロナ禍の影響もあり、LMSを利用した課題の提出により成績評価を行いました。事例問題につきレポート(A4のレポート用紙3枚程度)を作成していただきました。今年度も諸般の事情に配慮し、皆さんの意見も伺った上で対処する予定です。
定期試験の実施方法については、授業中に適宜言及します。また、LMSの「連絡事項」でもお伝えしますので確認をお願いしたいと思います。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | Law Practice 民法Ⅱ【債権編】(第4版) | 千葉恵美子・潮見佳男・片山直也編 | 商事法務 |
参考文献 | 民法判例百選Ⅱ 債権〔第8版〕(2018) | 潮見佳男・森田宏樹編 | 有斐閣 |
教科書ではテーマとなる設問が各項目毎に記載されています。この設問は実際の裁判例をモデルとして作成されており、世の中で生起する現実のトラブルを感じ取る上で非常に有益です。そこで、この設問を半ば小説のように読み込んで授業に出席していただきたいと思います。民法の実力の1つに事例分析能力が挙げられますが、教科書の設問の読み込みはこの事例設定能力の向上に最適といえるからです。
また、LMSには答案例や参考判例等を事前に表示します。そこで、答案例を参考にしてご自身でも答案構成を行っていただくことが事例分析能力の向上に役立つと思います。
① 各種資格試験への対応に配慮していますが、事例分析能力・答案作成能力の向上を目指していますので、法的感覚を磨くことを目標とする学生諸君の参加を希望しています。
② 授業中は教科書の重要な箇所について適宜言及します。定期試験は教科書の重要箇所のチェックと板書内容を記載したノートで十分対応できるよう配慮していますので、その点に留意して授業に臨まれることを希望します。
③ LMSに表示した答案例については授業でも検討しますので、教科書・六法に加えて答案例の持参をお願いします。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス 教科書・定期試験等について説明します。その後、教科書の設問を使って簡単に模擬授業を行います。皆さんに授業の雰囲気を分かって頂くためです。 |
第2回 | 数量不足を原因とする責任 数量不足の法的性質~数量不足が契約不適合となる場合~買主が行使し得る権利~損害賠償の範囲 |
第3回 | 売買目的物の種類・品質に関する契約不適合責任① 売買目的物に関する契約不適合責任とその救済手段~目的物の契約不適合の意義 |
第4回 | 売買目的物の種類・品質に関する契約不適合責任② 目的物の契約不適合に関する買主の救済手段~目的物の種類・品質に関する契約不適合を理由とする買主の権利についての期間制限 |
第5回 | 転貸借 賃貸人の転借人に対する明渡請求権の根拠~原賃貸借の債務不履行解除の可否~原賃貸借契約の終了と転貸借契約の帰趨 |
第6回 | 賃貸目的物の所有権の譲渡 所有権に基づく返還請求~不動産占有権原に基づく対抗可能性~不動産賃借人が民法177条の「第三者」であることに基づく対抗可能性~賃貸不動産の譲受人からの賃料請求 |
第7回 | 賃貸借契約の終了:信頼関係破壊の法理① 債務不履行を理由とする賃貸借契約解除の根拠~債務不履行を理由とする契約解除権の制限 |
第8回 | 賃貸借契約の終了:信頼関係破壊の法理② 信頼関係が破壊されたか否かの基準 |
第9回 | 預金者の確定 預金債権の帰属~従来の判例:客観説~最高裁判決 |
第10回 | 不法行為の成立要件:権利侵害① 設問45の事案に関する理解と検討~同種の事例に関する最高裁判決の検討 |
第11回 | 不法行為の成立要件:権利侵害② 権利・法益侵害~故意・過失~損害の発生~契約責任との関係 |
第12回 | 過失相殺 問題の所在~過失相殺の要件~過失相殺の類推 |
第13回 | 名誉棄損とプライバシー損害 名誉棄損の成立~名誉棄損の免責要件:「事実の適示」と「意見ないし論評の表明」の2類型~名誉棄損の救済方法 |
第14回 | 総復習① |
第15回 | 総復習② |