社会調査論Ⅰ
担当者中西 宏太教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングSOC-201

授業の概要(ねらい)

世の中には、国勢調査や家計調査、意識調査など多くの社会調査が存在する。それらは、政府の政策を決定するための基礎資料として活用されたり、企業の経営方針決定のために活用されることもあれば、研究者の基礎データとして活用されることもある。もちろん、私たちも日々の生活で接する報道や資料として参考としている。
一方で、社会調査は正しい方法論を経ない場合、間違った、もしくはもっともらしい示唆や結論を出すことが大変多いことも事実である。いわゆるバイアスが多々存在するのである。
本講義では、社会調査の正しい方法論と分析方法を学ぶ。自ら社会調査を作るのではなく、利用者の立場から社会調査活用の利点と注意点を理解することに注力する。
前期の社会調査論(1)においては教科書で理論的枠組みを理解し、いくつかの調査・文献を読むことで、社会調査の読み方を学ぶ。
後期の社会調査論(2)では、より多くの社会調査・データ・文献を読みながら社会調査への理解を深める。(基本的に数学的な統計分析は行わない)

授業の到達目標

社会調査の理論、概念、仕組みを理解する。
バイアスとは何かを理解する。

成績評価の方法および基準

出席率を鑑み、授業への参画度と中間テスト・確認クイズ(60%)、期末試験もしくはレポート(40%)によって評価する(受講者数などによって試験かレポートかを決定する)。
また、コロナ対策による対面・オンライン授業の情況をみて変更する可能性もある。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『社会調査法入門』盛山和夫有斐閣ブックス(2004年)
教科書『新・日本の階級社会』 橋本健二講談社現代新書
参考文献『暴走族のエスノグラフィー』佐藤郁哉
新曜社
参考文献「社会調査のウソ」谷岡一郎文春新書
参考文献『「原因と結果」の経済学』中室牧子・津川友介ダイヤモンド社
参考文献内閣府などの社会調査文献、新聞記事など

準備学修の内容

事前に該当する教科書、参考文献の該当部分を読んでおくこと。

その他履修上の注意事項

社会調査論(1)で概念を学習し、社会調査論(2)において多くの社会調査を読むみ理解を深めるので、(1)に続き(2)を履修することが推奨される。

授業内容

授業内容
第1回オンライン
オリエンテーション:授業の進め方・評価基準説明
教科書:社会調査とは何か(第1章)
第2回谷岡一郎「社会調査のウソ」を読む(1)
第3回教科書:量的調査と質的調査(第2章)
谷岡一郎「社会調査のウソ」を読む(2)
第4回教科書:調査と研究の進め方(第3章)
谷岡一郎「社会調査のウソ」を読む(3)
第5回橋本健二『新・日本の階級社会』を読む(1)
第6回許可書:社会調査を企画する(第4章)
橋本健二『新・日本の階級社会』を読む(2)
第7回教科書:ワーディング(第5章)
橋本健二『新・日本の階級社会』を読む(3)
第8回教科書:調査票の構成のしかた(第6章)
橋本健二『新・日本の階級社会』を読む(4)
第9回教科書:サンプリング(1)(第7章)
中室牧子・津川友介(2017)『「原因と結果」の経済学』を読む(1)
第10回教科書:サンプリング(2)(第7章)
中室牧子・津川友介(2017)『「原因と結果」の経済学』を読む(2)
第11回教科書:質的研究とはどういううものか(第14章)
佐藤郁哉『暴走族のエスノグラフィー』を読む(1)
第12回教科書:平均とは何か:分布と統計量(第9章)
佐藤郁哉『暴走族のエスノグラフィー』を読む(2)
第13回佐藤郁哉『暴走族のエスノグラフィー』を読む(3)
第14回復習・小テスト(オンライン設定日)
(仮)検定という考え方(第10章)
(仮)確率の基礎(第15章)
第15回総復習・期末テスト(もしくはレポート提出)