心理学研究法Ⅲ(面接・質的研究法)
担当者大塚 秀実教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [心理学科 2018年度以降]
科目ナンバリングPSY-205

授業の概要(ねらい)

 質的研究、とくに面接法(インタヴュー法)は、人と人との関わりの中でデータを収集する方法である。そこには、単に言葉のやりとりを超えて、怒りや嫉妬を伴った感情、穏やかさや温かさが伴った情緒交流が生じる。だからこそ、人が人を研究することの難しさと興味深さを体験することができる。そのためには、倫理規範を身につけること、適した分析方法を選択できる知識が必要となる。
 この講義では、質的研究の実施法・分析法を学び、実社会におけるこころの問題を測定すべく、調査面接を実施しデータを収集・分析することを目指す。

授業の到達目標

 1)心理学的問いを解明するために、適切な研究法を選択することができる
 2)研究倫理に配慮しながら、研究を計画することができる
 3)調査面接を実施し、データを収集・分析できること

成績評価の方法および基準

 成績評価は、毎回の感想40%、レポート提出60%とする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献なるほど!心理学面接法 三浦麻子(2018)北大路書房
参考文献はじめて学ぶ臨床心理学の質的研究:方法とプロセス 岩壁茂(2010)岩崎学術出版社
参考文献臨床心理学を学ぶ⑥質的研究 能智正博(2011)東京大学出版社

準備学修の内容

 ・授業終わりに指示する内容について復習すること
 

その他履修上の注意事項

 「なぜ」「どうして」という視点を常に持ってください。
 調査を依頼することがあります。協力者として面接をぜひ体験してみてください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス:心理学における研究、面接法について学ぶ。
第2回質的研究をどのように立ち上げるか。
興味関心・問題意識から研究にするために何が必要なのか。
第3回臨床倫理と研究倫理について学ぶ。
第4回面接法とは何か、について学ぶ。
臨床面接と研究面接の違いは何だろうか。
第5回臨床面接について学ぶ。
人を援助するために必要な技法と態度について知る。(オンライン)
第6回調査面接をするために必要なことを学ぶ①
インタヴューを実施するために準備することを知る/基本的態度を学ぶ
第7回調査面接をするために必要なことを学ぶ➁
インタヴューでよく起こる問題について検討する
第8回調査面接において何を問うのか、どのように質問を生成するのか、学ぶ
第9回調査面接から得たデータ(逐語記録)から何を読み取るのか、学ぶ。
第10回調査面接から得たデータ(逐語記録)を分析する方法を学ぶ。①KJ法
第11回調査面接から得たデータ(逐語記録)を分析する方法を学ぶ。②ソフトを用いた分析方法の紹介
第12回調査面接法を用いた研究例について学ぶ
第13回結果のまとめ方について学ぶ
第14回考察の視点について学ぶ
第15回まとめと解説:レポートを解説する