集合行動論
担当者大浦 宏邦教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSOP-201

授業の概要(ねらい)

 パニック、暴動、デモ、流言、防災、社会運動など多くの人々がかかわる、余り日常的ではない社会現象を集合行動という。こうした出来事は人々が潜在的に持っている弱さを明らかにすると共に、勇敢さや愛他性をも明らかにしてくれる重要な題材である。また東日本大震災や水害、感染症の流行といった災害が相次ぐ現代にあって防災や災害時における人間行動について知ることは必須となっている。
 この授業では、さまざまな集合行動の事例を紹介しながら、集合行動の発生する条件、内部の構造、背後にある心理的なメカニズムについて考察していこう。

授業の到達目標

集合行動が発生する条件を理解し説明できる。
パニックや流言を防止したり、防災や集合的な避難を促進したりするための方法を考察できる。

成績評価の方法および基準

 期末の試験(70%)に出席時の課題(30%)によって評価する。ただし、授業に出席していないと試験を受けることができないので注意すること。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『火星からの侵入』キャントリル川島書店
参考文献『デマの心理学』オルポート岩波書店 など

準備学修の内容

 予習・復習用のキーワードを授業中に指示しますので、検索して調べてみてください。また、身の回りで耳にするうわさや、報道で目にするパニックや暴動、災害のニュースに気をつけてみましょう。

その他履修上の注意事項

 授業中に簡単な実験を行うことがあります。積極的に参加してみてください。

授業内容

授業内容
第1回集合行動とパニックの事例 イロコイ劇場火災
第2回パニックのメカニズム(1) 火星からの侵入事件
第3回パニックのメカニズム(2) トイレットペーパー買いだめ事件とパニック対策
第4回うわさと流言(1) 流言の分類とオルポートの伝達実験
第5回うわさと流言(2) 豊川信金流言と流言の変容
第6回うわさと流言(3) 都市伝説と流言対策
第7回群集と暴動(1) フーリガン、アメリカの暑い夏
第8回群集と暴動(2) 相対的剥奪、群集の形成
第9回群集と暴動(3) 群集心理とフランス革命
第10回災害と集合行動(1) 阪神大震災と東日本大震災
第11回災害と集合行動(2) 緊急援助とユートピア期
第12回災害と集合行動(3) 復興優先か防災優先か
第13回社会運動(1) 公民権運動と社会的ジレンマ
第14回社会運動(2) 社会的ジレンマの解決策(オンライン予定)
第15回後期試験とまとめ