担当者 | 草山 太一教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [心理学科 2018年度以降] | |
科目ナンバリング | BLS-101 |
生物心理学は、ヒトやヒト以外の動物を対象に、行動やその背景にある認知・思考・感情の仕組みや働きについて、脳や神経伝達物質などの神経機構も含めて解明しようとする心理学の一分野になります。生物心理学は、比較心理学や比較認知神経科学および進化心理学などを含む、いくつかの他の分野と関連しています。生物心理学Ⅰでは、ヒト以外の動物を研究対象とする意義、外界の認知と記憶、集団の形成、配偶行動を中心に概説します。
①ヒト以外の動物に関する心理学研究を通じて、基礎心理領域の知識を修得し、その法則や理論を説明できる。
期末試験(70%)とレポート(30%)で評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | テキスト:使用しない。 | ||
参考文献 | 『ピネル バイオサイコロジー―脳 心と行動の神経科学』 | John P.J. Pinel | 西村書店 |
参考文献 | 『文春新書 ヒト型脳とハト型脳』 | 渡辺茂 | 文藝春秋 |
参考文献 | 『ハトがわかればヒトがみえる―比較認知科学への招待―』 | 渡辺茂 | 共立出版 |
参考文献 | 『比較認知科学への招待―「こころ」の進化学』 | 藤田和生 | ナカニシヤ出版 |
参考文献 | 『心の輪郭 比較認知科学から見た知性の進化』 | 川合伸幸 | 北大路書房 |
参考文献 | 『動物たちは何を考えている?−動物心理学の挑戦−』 | 日本動物心理学会 監修 | 技術評論社 |
特に予備知識を必要としませんが、講義内容は段階的に積み重ねて進む場合があります。毎回の授業内容をきちんと理解しておくことが必要です。講義の前に前回までの講義内容を復習しておくことが大切になります。用語の説明など、基本的な事項については覚えることも必要になります。
広い視野で学ぼうという姿勢を持って、積極的に講義に参加することを期待します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクションとして授業内容について説明する。 |
第2回 | 心理学の歴史を振り返って、動物を対象とした研究がどのように行なわれてきたのか、歴史や背景について学ぶ。また「ティンバーゲンの4つのナゼ」を説明し、行動の生起要因に関する研究アプローチについて学ぶ。 |
第3回 | 脳の基本的な構造や神経細胞の働きについて学ぶ。 |
第4回 | 外界の認知の仕組みについて学ぶ。 |
第5回 | 本能もしくは学習に基づく行動について説明し、特に遺伝的要因に基づくと考えられている行動について学ぶ。 |
第6回 | 経験によって獲得する行動について、刻印づけやその神経機構について学ぶ。 |
第7回 | 記憶保持、忘却(覚えたことを忘れること)や、脳と記憶の関係について学ぶ。 |
第8回 | 第1回から第7回までの振り返って、内容を整理する。*オンラインで実施する。 |
第9回 | 動物が群れを形成する理由について学ぶ。 |
第10回 | 最適な群れのサイズや、それらの妥当性について学ぶ。 |
第11回 | 動物の配偶システムの種類について学ぶ。また、「ティンバーゲンの4つのナゼ」から、なぜ多くの動物でオスとメスの有性生殖が認められるか考えてみる。 |
第12回 | 配偶システムの違いについて子育ての観点から学ぶ。 |
第13回 | 性内淘汰と性間淘汰について学ぶ。 |
第14回 | 性淘汰と支える理論について学ぶ。 |
第15回 | 期末試験とまとめを行う。 |