担当者 | 川上 祐司教員紹介 | |
---|---|---|
単位・開講先 | 選択 2単位 [経営学科] | |
科目ナンバリング | SPS-305 |
マーケティングミックスにおける4Pの1つである「プロモーション」はマーケティング戦略には欠かせない手段である。しかし「スポーツプロモーション」とは、このプロモーションとは異なるフレームワークである新たな概念であることを理解して欲しい。わが国のスポーツシーンにおけるメダル数や視聴率など「量」の誇張は、あくまでもメディアスポーツの成果でありスポーツ文化の定着やスポーツビジネスの発展に寄与しているとは言い難く、スポーツ市場規模も約10兆円に止まる。わが国がスポ―ツ先進国に向けた新たなステージに向かうべく、その目標を「質」へと転換させる「スポーツプロモーション」の理解と実践が求められる。メディアスポーツが横行するわが国において、「スポーツプロモーション」の概念と理解は不可欠でありスキルの習得が求められる。
小職は、これまで長年にわたり富士通(株)広報IR室および宣伝部の幹部社員としてスポーツプロモーション業務に従事してきた。同「スポーツプロモーション論」では、これまでの業務経験からの実務をベースとしたカリキュラム内容により「スポーツプロモーション」の概念の理解と実践を目的とする。「スポーツプロモーション論Ⅰ」では、特に「パブリックリレーション(広報PR)」と「アドバタイジング(広告・宣伝)」における目的・機能と基本知識の理解、ベーシックとなる基本スキルの習得を目指す。
スポーツビジネスに従事するにあたりスポーツマーケティング業務の中核となるプロモーションスキルの習得する。特に「スポーツプロモーション論Ⅰ」では、パブリックリレーション(広報PR)スキル、アドバタイジング(広告・宣伝)スキルにおける実務ベースよりそれぞれに必要なノウハウとスキル習得を目標とする。これらのノウハウより以下のスポーツ業界およびインターンシップなどでの即戦力として活躍できることを目標とする。
・スポーツチーム・リーグのマーケティング・プロモーション担当者
・企業・行政マーケティング・プロモーション担当者
・広告代理店、マスコミ関係者
・その他
*出席点はありません(ただし要打刻) 期中の以下3つの課題テーマより総合的に評価する
①チーム広報の立場よりプレスリリースの作成およびプレゼンテーション(パブリシティ性①)
②プレス・メディアの立場よりプレスリリースからの記事執筆(パブリシティ性②)
③チームプロモーションの立場で媒体向け広告原稿の作成およびプレゼンテーション(クリエイティブ性)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 『アメリカのスポーツ現場に学ぶマーケティング戦略-ファン・チーム・行政が生み出すスポーツ文化とビジネス』 | 川上祐司著 | 昇洋書房 |
教科書 | *当日授業で使用するテキストデータは前日までにLMSにアップするので必ず参照のこと | ||
参考文献 | 『メジャーリーグの現場に学ぶビジネス戦略―マーケティング、スポンサーシップ、ツーリズムへの展開―』 | 川上祐司著 | 昇洋書房 |
参考文献 | 『スポーツプロモーション論』 | 佐伯 年詩雄 菊 幸一 | 明和出版 |
参考文献 | 『パブリックリレーション』 | 井之上喬著 | 日本評論社 |
参考文献 | 『広告コミュニケーションの総合講座』 | 日本経済新聞出版社 | |
参考文献 | 『ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』 | クレイトン・M・クリステンセン | ハーパーコリンズ・ジャパン |
参考文献 | 『争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール』 | 木村元彦著 | 集英社インターナショナル |
参考文献 | 『オリンピックスポンサーシップ構造の功罪(その1、その2、その3)』 | 川上祐司著 | 帝京経済学研究 |
参考文献 | 『日本プロゴルフトーナメント開催と企業経営効果についてーLPGAツアートーナメントを事例にー』 | 川上祐司著 | 帝京経済学研究 |
参考文献 | 『スポンサーシップイベントによる企業イメージ効果と現状の課題 ー国内企業におけるスポサーシップ事例よりー』 | 川上祐司著 | 帝京経済学研究 |
授業テキストは拙書および前日までにLMSにアップするPPTデータを使用するので必ず資料確認すること。
また、当日授業では出来る限りパソコン持参で受講すること。
国内一般紙および日本経済新聞を必読のこと。加えてSports Business Journal、またスポーツ専門サイト等より海外スポーツビジネス動向にも関心を高めること。
本科目は既にスポーツマーケティング理論を十分に理解していることが前提になる。ついては「スポーツマーケティング概論ⅠⅡ」または「アメリカ型スポーツビジネスⅠⅡ」を単位取得または履修していることが望ましい。
本科目は出席することが目的ではないので出席点はありません(出席は取りません)。スポーツマーケティングを理解と停滞するわが国スポーツビジネスを牽引する人材育成に向けた高度なスキルとノウハウ、理論の習得が目的です。その旨を十分理解して履修するようにして下さい。
授業テキストはLMSにアップするので出来る限りパソコン持参で受講のこと。
また、本授業は経営の一環を学ぶにあたり、授業進行においては時間・期限・約束の厳守などビジネスルールに準じるとともに学生としてモラルを遵守する。
授業内容は基本的にプロモーション実務スキルの習得を展開するが、スポーツプロモーションの本質を捉えて、同領域における「目的」と「手段」の機能の違いを十分に理解することにより、わが国のスポーツ文化発展・構築に貢献できる人材として今後の活躍を期待しています。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | オリエンおよびガイダンス ・授業の進め方、評価方法、留意点、約束事項の確認する |
第2回 | スポーツプロモーションの概念を理解する(オンライン) ・スポーツプロモーションの目的とは、その構造と現状の課題について学ぶ |
第3回 | スポーツマーケティングについて理解する ・スポーツプロモーションの流れ ・マーケティングミックスについて学ぶ |
第4回 | パブリックリレーション(広報PR)構造について理解する ・パブリックリレーション機能・役割、リレーションの種類(PR、IR、GR他)、メディアリレーション構造について学ぶ |
第5回 | パブリックリレーション(広報PR)媒体について理解する ・各媒体の特徴と現状の課題、記者クラブの機能について学ぶ |
第6回 | パブリックリレーション(広報PR)手法について理解する① ・投げ込み、記者会見、取材、リークなどのリレーション手法の機能と効果について学ぶ |
第7回 | パブリックリレーション(広報PR)手法について理解する② ・配布資料(プレスキッド)、プレスリリースの機能、作成方法について学ぶ |
第8回 | パブリックリレーション(広報PR)におけるリスク対応の意義と必要性について理解する ・Jリーグドーピング事件、日大タックル事件よりスポーツ広報における危機管理の重要性と対応策について学ぶ |
第9回 | アドバタイジング(広告・宣伝)の概念について学ぶ ・アドバタイジング機能と役割、日本の広告業界の構造と特徴について学ぶ |
第10回 | アドバタイジング(広告・宣伝)の機能と効果について学ぶ ・購買理論とジョブ理論について学ぶ |
第11回 | アドバタイジング(広告・宣伝)の手法について学ぶ① ・マスメディア、OOH(Out of Home)、交通広告、イベントについて学ぶ |
第12回 | アドバタイジング(広告・宣伝)の手法について学ぶ② ・広告作成の手順よりオリエンテーションとプレゼンテーションについて学ぶ |
第13回 | アドバタイジング(広告・宣伝)の手法について学ぶ③ ・スポンサーシップとエンドースメントの機能と成果について学ぶ |
第14回 | アドバタイジング(広告・宣伝)の評価ついて学ぶ ・広告費換算の算出方法、GRP(Gloss Rating Point)、接触率・理解度・好感度、露出効果について学ぶ |
第15回 | まとめ ・課題テーマの広告原稿よりクリエイティブ性を評価する |