スポーツマーケティング概論Ⅱ
担当者川上 祐司教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングSPS-206

授業の概要(ねらい)

 「スポーツマーケティング概論Ⅱ」では「スポーツマーケティング概論Ⅰ」で学んだスポーツマーケティングの基礎知識の理解を前提に、Marketing of SportsとMarketing through Sports(with/without)における国内外のケーススタディより更なるスポーツマーケティングスキルの習得と理解を目指す。①Contents Providers ②Distribution Channel ③Service Providerの実務をケーススタディとして学習することにより、今後のスポーツビジネスの発展に向けてスポーツ業界で即戦力となる高度なスポーツマーケッターの育成を目指す。
 具体的には、「オリンピックマーケティング」「日米プロスポーツチーム・リーグのマーケティング」「ヨーロッパプロスポーツチームのソーシャルエンタープライズとしてのマーケティング」「行政のスポーツマーケティング」「企業のスポーツマーケティング」からのケーススタディより、それらのビジネスモデルおよびマネジメントよりマーケティング理論の習得と更なる理解を深める。
 小職は毎年3月にアリゾナ州スコッツデール市で開催されるサンフランシスコ・ジャイアンツのスプリングトレーニングキャンプに帯同している。履修生には、具体的なスポーツマーケティングスキルの習得を目指すべく、最新のマーケティングノウハウを本授業で教授する。
 尚、スポーツ経営コースを選択する学生は「スポーツマーケティング」は必ず学ばなければならない学問であることを理解すること。

授業の到達目標

 以下の業種・業務に必要なマーケティングおよびプロモーション等をケーススタディとして取り上げながらその実践および応用スキルの習得を目指す。具体的にはMarketing of Sportsとしてオリンピックマーケティング、リージョン分析としてアメリカおよび国内プロスポーツチーム/リーグなどのマーケティングを取り上げる。またMarketing Through Sportsとして企業および行政などのスポーツプロモーションなどのケーススタディより高いスキルの習得を目指す。
 ・スポーツチーム・リーグのマーケティングン・プロモーション担当者
 ・企業・行政マーケティング・プロモーション担当者
 ・広告代理店、マスコミ関係者
 ・その他

成績評価の方法および基準

*出席点はありません(ただし要打刻)以下より総合的に評価する(100点満点)
①期末試験:60点満点(筆記)
②最終エビデンス提出*提案書は15コマ目に提出。20点
 課題テーマ:「スポーツコンテンツホルダーのレベニューマネジメントモデル」の提案(提案書作成)
③レポート:期中に課題レポート2回実施。20点(10点×2)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『アメリカのスポンサーシップ戦略に学ぶスポーツマーケティング』川上祐司著晃洋書房
教科書『アメリカのスポーツ現場に学ぶマーケティング戦略-ファン・チーム・行政が生み出すスポーツ文化とビジネス』 川上祐司著晃洋書房
教科書*当日授業で使用するテキストデータは前日までにLMSにアップするので必ず参照のこと
参考文献『メジャーリーグの現場に学ぶビジネス戦略―マーケティング、スポンサーシップ、ツーリズムへの展開川上祐司著昇洋書房
参考文献『Sports Business Management: Decision Making Around the Globe』George Foster, Norman O'Reilly著
参考文献戦略的マーケティング・マネジメントアレクサンダー・チェルネフ五絃舎
参考文献『オリンピックスポンサーシップ構造の功罪(その1、その2、その3)-東京2020ゴールドスポンサーのプロモーションの現状と課題より-)』 川上祐司著帝京経済学研究
参考文献『ダイナミックプライシングの価格設定要因の一考察 -MLB San Francisco Giantsのチケットセールスを事例に-』 川上祐司著帝京経済学研究
参考文献『プロスポーツにおける戦力均衡がリーグおよびチーム経営に及ぼす影響―アメリカプロスポーツリーグ「NFL」「MLB」を事例に―』 川上祐司著帝京経済学研究
参考文献『スポンサーシップイベントによる企業イメージ効果と現状の課題―国内企業におけるスポサーシップ事例より―』 川上祐司著帝京経済学研究
参考文献メジャーリーグベースボール アリゾナカクタスリーグにおける経済効果川上祐司著帝京経済学研究

準備学修の内容

 授業テキストは拙書および前日までにLMSにアップするPPTデータを使用するので必ず資料確認すること。また、当日授業では出来る限りパソコン持参でLMSにアクセスして受講すること。
 昨今の一般的スポーツビジネスに関する話題を有して授業に臨むこと。さらには国内一般紙および日本経済新聞を必読のこと。加えてSports Business Journal、またスポーツ専門サイト等より海外スポーツビジネス動向にも関心を高めること。

その他履修上の注意事項

 本科目は各ケーススタディから高いレベルのスポーツマーケティングスキルの習得を目指します。ついては「スポーツマーケティング概論Ⅰ」「アメリカ型スポーツ経営Ⅱ」の履修が望ましい。
 また、本科目は出席することが目的ではないので出席点はありません(出席は取りません)。スポーツマーケティングの理解と停滞するわが国スポーツビジネスを牽引する人材育成に向けた高度なスキルとノウハウ、理論の習得が目的です。その旨を十分理解して履修するようにして下さい。
 スポーツ経営コースを選択する学生においては、本領域は今後の同市場への就職を希望する学生にとって必須科目であります。逆にここでのノウハウを理解することなくスポーツ業界に進む方が無謀であることを理解してください。「スポーツが好きだけど勉強は嫌い」だからスポーツ経営の科目があるのではありません。本履修生には、スポーツの手段化を否定でき「スポーツの本質」を十分に理解してわが国のスポーツ文化発展・構築に貢献できる人材として今後の活躍を期待しています。

授業内容

授業内容
第1回オリエンおよびガイダンス
・授業の進め方、評価方法、留意点、約束事項の確認する
第2回スポーツマーケティングについて理解する
・マーケティングとスポーツマーケティングの機能と違いについて学ぶ
・Marketing of SportsとMarketing through Sports、ジョブ理論について学ぶ
第3回オリンピックマーケティングについて理解する①
・ベルリンオリンピック、モスクワオリンピック、ロサンゼルスオリンピックにおけるマーケティング機能と功罪について学ぶ
第4回オリンピックマーケティングについて理解する②
・東京オリンピック2020におけるマーケティング機能と成果・功罪について学ぶ
第5回Marketing of Sportsについて理解する①:リージョン分析(アメリカ①)
・アメリカプロスポーツリーグのマーケティング動向を学ぶ
・NFLとNFL INTERNATIONALのグローバルマーケティング戦略について学ぶ
第6回Marketing of Sportsについて理解する②:リージョン分析(アメリカ➁)
・アメリカプロスポーツチームのマーケティング動向を学ぶ
・ニューヨーク・ヤンキースのマーケティング戦略より放映権ビジネスについて学ぶ
・サンフランシスコ・ジャイアンツのマーケティング戦略よりチケットビジネスについて学ぶ
第7回Marketing of Sportsについて理解する③:リージョン分析(アメリカ③)
・NCAAおよびアメリカカレッジスポーツのマーケティング戦略について学ぶ
第8回Marketing of Sportsについて理解する④:リージョン分析(日本①)
・NPBセントラルリーグおよび読売ジャイアンツのマーケティング戦略について学ぶ
第9回Marketing of Sportsについて理解する⑤:リージョン分析(日本②)
・NPBパシフィックリーグおよびソフトバンクホークスのマーケティング戦略について学ぶ
第10回Marketing of Sportsについて理解する⑥:リージョン分析(日本③)
・Jリーグおよび川崎フロンターレのマーケティング戦略について学ぶ
第11回Marketing of Sportsについて理解する⑦:リージョン分析(ヨーロッパ①)
・非営利法人としてのスポーツクラブ萌芽と目的・機能について学ぶ
・ヨーロッパサッカーリーグと市民オーナーシップについて学ぶ
・イギリスのサポーターズトラスト、ドイツのフェラインについて学ぶ  
第12回Marketing Through Sportsについて理解する①:行政とスポーツの関係
・行政とスポーツとの関係について学ぶ
・都市公園法、および国内外のスポーツ行政とマーケティング戦略について学ぶ
・PFI(Private Financial Initiative)と指定管理者制度、スポーツイベント開催機能について学ぶ
第13回Marketing Through Sportsについて理解する②:企業とスポーツの関係
・企業スポーツの歴史について学ぶ
・スポーツ関連企業のマーケティングとプロモーションについて学ぶ
・テクノロジーの進化とスポーツマーケティングについて学ぶ
第14回Marketing Through Sports without Sports Propertyについて理解する①:スポーツとメディアの関係
・スポーツコンテンツへのメディアバイイング考え方、Rule40について学ぶ
・アンブッシュマーケティングの現状と課題について学ぶ
第15回まとめ(オンライン)
・これまでの振り返りとまとめ