担当者 | 石島 健太郎 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | SWS-205 |
本講義は死生学の概論である。
私たちは死にゆく者と同じ時間を過ごすことがある。また、自身が死にゆくとき、自身の死後も生きていくだろう人と最後の時間を過ごすことがある。さらに、私たちは死者を悼み、あるいは生まれなかった者を想うことによって、彼らと共に生きていくことができる。このように、死は私たちが他者とかかわる媒介のひとつとしてある。こうした社会的な共同性をもった現象としての死というレンズを通じて、ひるがえって私たちの生がいかなるものであるのかを検討するための視座を得るのが本講義の目標である。
なお、講義に際しては積極的な質問・批判を奨励する。それらを踏まえた議論によっても、受講生の理解を促したい。
死という現象を社会(学)的視点から捉えること。
自身がもつ死への実存的な問いに対峙するための知性を得ること。
LMS上での期末試験(80%)と積極的な授業参加(20%)による評価を検討している。試験は講義中に扱った内容を適切に理解しているかを評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 『死生学のフィールド』 | 石丸昌彦・山崎浩司編 | 放送大学教育振興会 |
参考文献 | 『死と死別の社会学――社会理論からの接近』 | 澤井敦 | 青弓社 |
毎回の講義内容をよく復習すること。授業資料を見直し、自分の言葉で説明できることとできないことを腑分けし、後者については質問や授業中に提示する参考文献に触れることを通じて理解し、自らの血肉とされたい。
講義内容への質問・批判等を通じた積極的な授業参加を期待する。
内容の性質上、本講義を受講することによって、死をめぐる自身の経験を思い出したり、自身の死を予期したりといったことが十分に予想されるので、そういったことに強い抵抗を感じる者は受講に向かない。週によっては、希死念慮をもつ者の受講を禁じる場合がある。
なお、シラバス執筆時点では対面授業を想定しているが、感染状況等を踏まえて講義形式が変更になる可能性はある。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション:授業計画および概略を示し、評価基準について詳説する/受講前の自身の死生観を言語化する |
第2回 | 死の共同性とその喪失 |
第3回 | 社会的死 |
第4回 | 死のタブー化/死のポルノグラフィ/死のガイドライン |
第5回 | 人口学と生政治 |
第6回 | 終末期医療 |
第7回 | 脳死・臓器移植 |
第8回 | 安楽死・尊厳死 |
第9回 | 中絶・堕胎・嬰児殺 |
第10回 | 流産・死産 |
第11回 | 自死・自殺 |
第12回 | 死刑 |
第13回 | 反出生主義 |
第14回 | 肉食と動物の権利 |
第15回 | 期末試験とまとめ |