担当者 | 茶野 純一教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [総合基礎科目] | |
科目ナンバリング | ARS-107 |
アメリカでは「異形の大統領」ドナルド・トランプの治世が終わり、「ワシントン・インサイダー」であるジョゼフ・バイデンが率いる政権が2年目に入っています。近年の中国の台頭や多極化傾向にある世界の流れはあるも、アメリカは依然として超⼤国であり、よくも悪しくも国際社会に対する強い影響⼒を⾏使しつつ、政治、経済、⽂化の様々な領域において、重い存在であり続けています。
本講義では、先ずアメリカの建国思想、統治構造、⽂化・社会について基本的な特質や特徴を説明し、受講生のアメリカ理解の基礎を固めます。次いで、憲法、統治制度、政策形成過程、外交・安全保障、エスニシティ、市民社会、文化・学術等に関する基礎知識をベースに、クラスにおける討論を交えつつ、アメリカと世界との関わりや⽇⽶関係についての考察を進めていきます。
①アメリカの歴史、統治原理、政治・経済、文化・社会についての基礎的知識を修得し、それを踏まえて、国際社会に対するアメリカの影響力を理解し、現下の世界情勢を読み解く能力を身につける。
②日本にとって決定的に重要な日米関係についての理解を深め、当該二国間関係の意義と現状について自ら考え、他者に説明できる能力を身につける。
①平常点: 40%(授業コメント票/リアクション・ペーパー)
②期末試験: 60%
*授業コメント票/リアクションペーパーに記された質問等について、翌週またはそれ以降の講義で回答します。
*期末試験はレポート試験(字数2000字程度)とします。試験のテーマは講義終盤に発表・通知します。
*レポート試験は、a. 問題把握の度合い、b. 論理構成、c. 議論のクラリティ、d. 議論に使われる情報の種類と量、e. 思考と作文のオリジナリティを基に評価します。
*最新の剽窃チェッカーを用いて、レポートをチェックします。他の文書等からのカット&ペーストによるレポート作成が認められる場合は、当然のことながら不合格となります。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 教科書は指定しません。毎回の授業でレジュメ、参考資料等を配布します。 | ||
参考文献 | 『アメリカ憲法入門(第8版)』 | 松井茂記 | 有斐閣(2018) |
参考文献 | 『アメリカ大統領の権限とその限界』 | 東京財団政策研究所 (監修), 久保文明、阿川尚之、梅川健 (編) | 日本評論社(2018) |
参考文献 | 『なぜアメリカでは議会が国を仕切るのか?: 現役外交官が教える まるわかり米国政治』 | 千葉明 | ポット出版 (2014) |
参考文献 | 『シンクタンクとは何か 政策起業力の時代』 | 船橋洋一 | 中央公論新社(2019) |
参考文献 | 『アメリカ太平洋軍の研究 ― インド・太平洋の安全保障』 | 土屋太洋 | 千倉書房(2018) |
参考文献 | 『ユダヤとアメリカ - 揺れ動くイスラエル・ロビー』 | 立山良司 | 中央公論新社(2016) |
参考文献 | 『移民国家アメリカの歴史』 | 貴堂嘉之 | 岩波書店(2018) |
参考文献 | 『戦後日米関係とフィランソロピー』 | 山本正(編) | ミネルヴァ書房(2008) |
参考文献 | 『ジャズの歴史物語』 | 油井正一 | KADOKAWA (2018) |
参考文献 | 『ジャズ喫茶論 戦後の日本文化を歩く』 | マイク・モラスキー | 筑摩書房(2010) |
前もって次回以降の講義用リーディング・アサインメントを通知しますので、配布参考資料と併せ、読み込んでください。
インターネット、TV、ラジオ、新聞、雑誌等を通じて、日頃からアメリカと世界の動きを知ろうとする努力を続けてください。
① 今日の世界情勢を的確に把握するためには日本語のニュースや文献だけでは不十分で、英語メディアからの直接情報摂取が益々重要になってきています。本講義では日本語情報とのバランスを勘案しつつ、適宜英語による資料等を紹介していきますので、積極的に英語と向き合うマインドセットを持って授業に臨んでください。
② 本講義は毎回情報量が極めて多い授業となります。アメリカや国際情勢に対する貪欲な知識欲を持つ方々の受講を歓迎し、また、期待します。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション |
第2回 | 国の成り立ち(アメリカン・レボリューション) |
第3回 | 統治原理(合衆国憲法とフェデラリズム) |
第4回 | 行政(大統領) |
第5回 | 立法(連邦議会) |
第6回 | 司法(裁判所) |
第7回 | 政策形成過程(①思想・イデオロギー、②運動、③官僚制と政治任用、④シンクタンク、⑤メディア) |
第8回 | 中央銀行(連邦準備制度) |
第9回 | 安全保障(軍と同盟) |
第10回 | エスニック・コミュニティ(ユダヤ系、日系) |
第11回 | フィランソロピーと市民社会(大型財団、NPO) |
第12回 | 文化(ジャズ)〔LMSオンデマンド授業〕 |
第13回 | 日米関係・日米交流①(ジャズと戦後日米関係) |
第14回 | 日米関係・日米交流②(ケネディの遺産 – 同盟の人的基盤) |
第15回 | まとめ |