管理会計論特講
担当者水守 理智教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学研究科 経営学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

制度としての原価計算と財務諸表との繋がりを理解した上で、標準原価計算および直接原価計算・損益分岐点分析など経営管理のための技術を修得する。
また、意思決定のためのため原価計算の考え方、さらには、予算管理、利益管理などの管理手法を修得する。
受講者が少人数であると想定されますので、受講者各個人の原価計算・管理会計に対する学習経験や理解度と興味分野等を考慮し、各個人の個性に応じた演習課題の提供、講義内容や説明の深度を臨機応変に弾力的に決定していきます。
管理会計を通して自身で楽しく考える力を養成することを目指します。

授業の到達目標

➀標準原価計算と直接原価計算を修得すること。
➁意思決定のための原価計算の考え方と経営計画や経営管理に役立つ手法を修得する。

成績評価の方法および基準

ほぼ、授業態度(授業への参加度合い、演習や課題の達成状況など)30%、試験の成績70%です。
但し、単位取得は3分の2以上(10回以上)の出席が前提になります。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『スタディガイド 原価計算』渋谷武夫 編著(中央経済社)
教科書おはなし経済性分析伏見多美雄(日本規格協会)
参考文献

準備学修の内容

実際に自らの手で計算して演習問題を解いてみることが大切です。
授業で学習したことを実務ではどうなるか自ら考えてみると理解が深まります。
なお、制度としての実際原価計算の基礎を理解していることが推奨されますが、原価計算が全く初めての人でも基礎から分かりやすく楽しく学習できる授業を行います。

その他履修上の注意事項

授業では実際に計算演習をするので、必ず電卓を持参すること。
受講者が比較的少人数と想定されるので、講義形式に拘らずに受講者の個性に合わせて演習やディスカッション、プレゼンテーションを積極的に取り入れていきます。

授業内容

授業内容
第1回<オリエンテーション>
・受講者と教員が相互に自己紹介をし、授業目的、授業方法、成績評価等を説明します。
・原価計算の意義・目的、種類、手続きなどを考えます。
第2回<標準原価計算-意義・目的等>
・標準原価計算の意義、目的、原価標準の設定、手続き、記帳方法を学びます。
第3回<標準原価計算-原価差異分析>
・演習を通じて原価差異分析の方法を学びます。
第4回<標準原価計算-原価差異分析2>
・減損がある場合の差異分析や製造間接費の差異分析をより深く理解するための演習を行います。
第5回<財務諸表>
・製造業の財務諸表と製造原価報告書について学びます。
第6回<直接原価計算1>
直接原価計算の意義、全部原価計算との相違点を学びます。
第7回<直接原価計算2>
制度会計で直接原価計算を導入している場合の各種論点について学びます。
第8回<CVP分析>
・損益分岐点の意義を理解し、CVP分析(Cost-Volume-Profit Analysis)について様々なケースで演習し、ディスカッションします。
第9回<貢献利益分析>
・複数製品を生産販売しているケースにおける貢献利益分析を学びます。また、最適プロダクトミックスの決定の考え方とその限界を理解します。
第10回<業務執行的意思決定>(オンライン授業)
・差額原価、埋没原価、機会原価の概念を理解します。
・実際に差額原価収益分析の演習を行います。
第11回<戦略的意思決定>
・設備投資の経済性計算の考え方を学びます。
・貨幣の時間価値の計算(現価係数、年金現価係数などの係数を理解し駆使できるようにします)
第12回<設備投資意思決定>
・NPV法、内部収益率法などについて学びます。
第13回<経済性分析>
・経済性分析の事例研究を行います。
第14回<その他管理会計トピック>
・その他管理会計のトピックについて学びます。
第15回<総まとめと期末テスト、ディスカッション>
・総纏めと期末テストまたは受講を終えてのプレゼンテション、ディスカッションを行います。