財務諸表論Ⅱ
担当者水守 理智教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングACC-204

授業の概要(ねらい)

財務諸表論を初めて学ぶ人のための入門コースです。
財務諸表(=決算書)から企業の経営状態を読み解くための基礎知識を習得します。また、その知識を基に実例と関連づけて財務諸表を身近なものとして利用できるようにすることを目指します。
財務諸表論Ⅱでは、財務諸表論Ⅰに引き続き、貸借対照表の負債の部、純資産の部の内容と損益との関係、もう1つの重要な財務諸表である損益計算書について学びます。
また、ビジネスシーンでの必要性を考慮し、連結財務諸表や税効果会計等の基礎についても学びます。
財務諸表は複式簿記により作成されるため簿記の知識やスキルが前提になります。初回から数回の授業の中では簿記の説明を行いますが、簿記論を履修済で日商簿記検定3級を合格する程度のスキルを持っている人の受講を推奨します。

授業の到達目標

 ①貸借対照表の負債の部・純資産の部について、その内容と損益との関係を理解します。
 ②社債や引当金などの各種負債、税効果会計・連結財務諸表について概要を理解します。

成績評価の方法および基準

授業中の小テストやLMS上の課題の提出状況と評点などを含む日頃の学習態度30%、定期試験の成績70%です。
単位の取得には3分の2(オンライン授業も含め10回)以上の出席が必要です。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『財務会計入門』第6版田中健二(中央経済社)
参考文献日本商工会議所簿記検定2級または3級の受験参考書(TAC出版)ほか
参考文献財務会計・入門(第13版)桜井 久勝・須田一幸(有斐閣アルマ)

準備学修の内容

原則としては、毎回、授業の理解度を試すミニテストまたは課題を配布(またはLMSにアップロード)しますので、各自で解答を作成し自分の理解度を確認し復習してください。
ミニテストや課題の提出状況や評点は普段の学修状況の評価に使用します。
やむを得ず欠席した場合の対応としてレジメ等はLMSにアップしますので、自主学習に使ってください。

その他履修上の注意事項

簿記の仕訳から決算書作成に至るまでの一連の手続きを理解していることを前提に何をどの時点でどういう金額で記帳されるべきかを考えるのが財務諸表論です。従って、理解のためには少なくとも商業簿記(日商簿記検定3級程度)を理解していることが必要となります。
レジメや課題の配布や提出にLMSを使用することがありますので、LMSが使用できる環境が必要です。

授業内容

授業内容
第1回<オリエンテーション>
・授業目的、授業方法、成績評価等の説明
・実際の財務諸表を見る
第2回<財務諸表論Ⅰの復習>
・会計公準、企業会計原則、会計行為
・棚卸資産、有形固定資産
第3回<金融資産 1 >
・金融資産の意義、分類、金銭債権の評価について学びます。
第4回<金融資産 2 >
・有価証券の意義、分類、評価について学びます。
第5回<負債 1 >
・負債の意義、分類、評価、社債、引当金について学びます。
第6回<負債 2 >
・退職給付債務の概要について学びます。
第7回<純資産>
・純資産の意義、分類、払込資本、留保利益について学びます。
第8回<収益費用>(オンライン授業)
・実現主義と販売基準、工事契約、収益費用対応の原則について学びます。
第9回<税効果会計>
・諸税金の処理、企業会計と課税所得計算の差異、税効果会計の仕組について学びます。
第10回<連結財務諸表 1 >
・意義、連結範囲、作成基準の概要を学びます。
第11回<連結財務諸表 2 >
・持分法、セグメント情報、注記事項について実際の実例を見ながら学びます。
第12回<財務諸表の分析>
・主要財務比率、損益分岐点分析について学びます。
第13回<有価証券報告書>
上場会社の有価証券報告書にどのようなことが記載されているか学びます。
第14回<総復習>
後期に学習したことの総復習をします。
第15回<総まとめと期末試験>
・前期および後期に学習したことの総まとめと期末テストを行います。