日本史概説Ⅰ
担当者深谷 幸治教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-101

授業の概要(ねらい)

 この日本史概説Ⅰの授業は、講義形式で行われる。内容は新1年生が、高校までの学修によって既に得ている知識を基礎としながらも、その上にさらに大学史学科での学修に必要とされる段階の基本的教養を修得するこてができるようにするため、あるいはより詳細な歴史的知識・知見を積み重ねていくための情報を提示する。基本的には日本史全般に関する通史的講義だが、考古学的な情報を必要とする時代の話から、政治学・経済学的な要素を持つ現代社会に至るまでの各時代を取り扱う。ただし半期で15回と授業回数は限られているため、網羅的に全ての事柄を解説している余裕はないので、時間ごとに講義テーマをある程度限定し、注目すべき人物や事象などを、最新の研究成果を取り込みつつ説明していくものである。
 前期には、縄文・弥生時代の社会から、古代を経て中世の終わりまでの諸事象について述べていく。

授業の到達目標

 新1年生が、この授業における新知識・知見によって、現代人的な既成概念にとらわれることなく、日本史の流れに向き合うことができるようにする。さらに大学での歴史学というものの学問的な視点や方法論にも慣れるようにすることを目標とする。さらにそれにより、聴講学生は次年度以降の各学生の専攻分野における発展的学修の基礎的知識を習得しておくことができる。

成績評価の方法および基準

 出席は成績評価の前提となる必須条件である。それを満たした上で、授業中の受講姿勢や前期授業の最期の時間に実施する試験の解答内容を勘案して、成績を評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『大学でまなぶ日本の歴史』木村茂光ら編吉川弘文館
参考文献

準備学修の内容

 この授業は日本史全般に関わる概説的講義であるから、日本史関係の各種書籍を中心に、事前にあるいは授業と並行して読んでおくことが望ましい。その場合、最初から狭い範囲に自分のテーマや興味を限定してしまうのではなく、日本史以外の外国史・地理・考古・美術などに関する本も参考として、合わせて読んでいくべきである。

その他履修上の注意事項

 授業にはもちろん毎回出席し、自分の方法・判断で、板書以外の内容もどんどんノートに取っていくことが大学生の学修態度として大切。板書したことしかノートを取らないのでは、流れとしての歴史が理解できないので注意すること。
 なお以下の授業内容はあくまで予定であり、状況によって変更されることもあるので承知しておいてもらいたい。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス。この授業の進め方やテキストの紹介、また読んでおくべき日本史関係の書籍の紹介などを行う。
第2回 先史・考古学的なテーマの講義。縄文・弥生時代の社会生活。
第3回 以下6回は古代のテーマに関する講義。古代1回目は邪馬台国。
第4回 古代2回目、日本神話。その民俗学的・神話学的分析、外国神話との比較など。
第5回 古代3回目、聖徳太子。その伝承と実際について。
第6回 古代4回目、律令体制。律令とは何か、それはどのような法律・社会体系か。
第7回 古代5回目、宮と京。両者は何がどう異なるのか、場所を変えるということはどのような思想に関わるのか。
第8回 古代6回目、摂関政治。貴族政治の頂点期であると共に、その背後にあった武士の登場と台頭についても触れる。
第9回 以下6回は中世のテーマに関する講義。中世1回目は鎌倉政権。武士の地位拡大と東国鎌倉政権の内情。
第10回 中世2回目、対モンゴル戦争。日本側の記録がほとんどないのはなぜなのか。
第11回 中世3回目、南北朝内乱。この第一次戦国的内乱はなぜ発生したのか。
第12回 中世4回目、義満の時代。室町幕府最盛期。
第13回 中世5回目、応仁・文明の乱。戦国時代の開始。
第14回 中世6回目、戦国大名。下剋上は本当にあったのか。(オンライン)
第15回 全体のまとめと総括、試験。