税法Ⅱ
担当者𠮷田 貴明教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングPUL-304

授業の概要(ねらい)

 現代においては,租税とは無縁の社会生活を営むことはできないと言っても,過言ではありません。しかし,身近にある租税について,私たちは十分に理解できているでしょうか。どのような場面において,どの程度の租税負担を,なぜ課されることになるのか,私たちは正確に把握できているでしょうか。
 この科目では,わが国における租税法規の規定する基本的なしくみについて,判例を参照しながら講義を行います。とりわけ,法人税法・消費税法・相続税法といった租税実体法のほか,租税手続法,租税争訟法,国際租税法を取り上げることとします。

授業の到達目標

 この科目は,租税法に関する「紛争の解決のための道筋を見出す」能力を修得することを目的とし,以下の2点を到達目標とします。
①租税実体法および租税手続法の基礎概念・基礎理論を理解すること。
②現実に生じた租税行政をめぐる諸課題について,判例・学説の考え方に基づいて,論点を整理したうえでその解決策を検討できるようになること。

成績評価の方法および基準

 小テストおよびレポートにより評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『租税法概説』 中里実ほか編(有斐閣)
参考文献『租税判例百選』 中里実ほか編(有斐閣)
参考文献『租税法判例六法』 中里実=増井良啓(有斐閣)
参考文献『スタンダード法人税法』 渡辺徹也(弘文堂)
参考文献『租税法』 金子宏(弘文堂)
参考文献『租税法』 浅妻章如=酒井貴子(日本評論社)
参考文献『高校生のための税金入門』 小塚真啓編著(三省堂)

準備学修の内容

 テキストに従って講義を進めていくため,基本的にはテキストを用いて予習・復習を行ってください。
・予習…テキストの指定範囲を読み進め,わからない用語等があれば参考文献等で確認しておいてください。
・復習…理解が十分でない点を中心に,テキスト,ノートや参考文献等により見直してください。

その他履修上の注意事項

①テキスト・参考文献については,いずれも最新版を用意してください。
②コンパクトサイズの六法には,租税法規が掲載されていません。そのため,授業には,『租税法判例六法』等の租税法規が掲載されている文献を持参したり,インターネット等で閲覧する準備をするなど,適宜条文を参照できるような態勢を整えてから授業に臨んでください。
③「税法Ⅰ」を履修したことを前提に講義を行います。授業内でも簡潔に説明はするものの,基本的には,各自において適宜復習してください。
④行政法,会社法,国際法等の法律科目の知識を必要とする項目があります。また,法人税法の学修には会計学(とりわけ財務会計論)の知識が有用です。これらの科目を事前に,または,並行して履修することが望ましいでしょう。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション…租税法序説の基礎概念
第2回法人課税の意義,ビジネスローとの関係
第3回益金の意義
第4回損金の意義
第5回損金算入を制限する別段の定め
第6回消費課税の特徴と分類
第7回消費税の課税要件
第8回仕入税額控除の意義
第9回財産の移転と資産課税
第10回相続税・贈与税の課税要件
第11回課税管轄権とソースルール
第12回納税義務の成立と確定
第13回租税争訟制度の概要
第14回総括…租税実体法・租税手続法
第15回補論…租税行政の実相(オンライン)