税法Ⅰ
担当者𠮷田 貴明教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングPUL-303

授業の概要(ねらい)

 私たちが日々暮らしていくうえで,租税は密接に関係しています。買い物をするときには消費税の存在を織り込みますし,アルバイトをしすぎたときには所得控除の対象から除外されることを懸念するでしょう。このように,租税を避けて社会生活を営むことはできないと言っても,過言ではありません。しかし,身近にある租税について,私たちは十分に理解できているでしょうか。そもそも,私たちはなぜ租税を納めているのでしょうか。
 この科目では,このような租税の意義とともに,わが国における租税法規,とりわけ所得税法の規定する個人所得課税制度の基本的なしくみについて,判例を参照しながら講義していきます。

授業の到達目標

 この科目は,租税法に関する「基本的な知識」に基づき「論点を把握する」能力を修得することを目的とし,以下の2点を目標とします。
①租税法の基礎理論および所得税法の基礎概念を理解すること。
②租税行政をめぐる諸問題について,判例・学説の考え方に基づいて法的な論点を整理できるようになること。

成績評価の方法および基準

 小テストおよびレポートにより評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『租税法概説』 中里実ほか編(有斐閣)
参考文献『租税判例百選』 中里実ほか編(有斐閣)
参考文献『租税法判例六法』 中里実=増井良啓(有斐閣)
参考文献『スタンダード所得税法』 佐藤英明(弘文堂)
参考文献『租税法』 金子宏(弘文堂)
参考文献『租税法』 浅妻章如=酒井貴子(日本評論社)
参考文献『高校生のための税金入門』 小塚真啓編著(三省堂)

準備学修の内容

 テキストに従って講義を進めていくため,基本的にはテキストを用いて予習・復習を行ってください。
・予習…テキストの指定範囲を読み進め,わからない用語等があれば参考文献等で確認しておいてください。
・復習…理解が十分でない点を中心に,テキスト,ノートや参考文献等により見直してください。

その他履修上の注意事項

①テキスト・参考文献については,いずれも最新版を用意してください。
②コンパクトサイズの六法には,租税法規が掲載されていません。そのため,授業には,『租税法判例六法』等の租税法規が掲載されている文献を持参したり,インターネット等で閲覧する準備をするなど,適宜条文を参照できるような態勢を整えてから授業に臨んでください。
③憲法や民法等基幹科目に係る理解を前提とする項目があります。各自において適宜復習してください。
④行政法,会社法等の法律科目の知識を必要とする項目があります。これらの科目を事前に,または,並行して履修することが望ましいでしょう。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション…租税の意義,租税法を学ぶ意味
第2回所得概念
第3回課税単位
第4回利子所得,配当所得,山林所得,不動産所得
第5回譲渡所得
第6回給与所得
第7回退職所得,事業所得,一時所得,雑所得
第8回収入金額と収入の時期
第9回必要経費
第10回所得控除
第11回現代国家と租税制度
第12回租税法律主義・租税公平原則
第13回租税法の解釈
第14回総括…租税法序説・所得税法
第15回補論…所得税制度の実相(オンライン)