刑法特講Ⅱ
担当者久保田 隆教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCRL-306

授業の概要(ねらい)

 本講義では、刑法総論・刑法各論の「2周め」として、1・2年次に学んだ内容を「広く浅く」復習したうえで、重要な判例をピックアップして「狭く深く」学んでいきます。
 秋期の「刑法特講Ⅱ」では、刑法各論の主要論点に関する判例を毎回2つずつ検討します。

授業の到達目標

①刑法各論に関する主要な論点について、判例の内容を踏まえながら説明できる。
②刑法総論に関する最新の論点について、問題の所在および議論状況を的確に説明できる。

成績評価の方法および基準

・主として、期末試験(80%)と小レポート(20%)によって評価します。
・その他、講義中の発言なども加味します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『刑法各論判例50!』十河太朗=豊田兼彦=松尾誠紀=森永真綱有斐閣
参考文献『刑法判例百選Ⅱ各論〔第8版〕』佐伯仁志=橋爪隆〔編〕有斐閣
参考文献『判例プラクティス刑法Ⅱ 各論』成瀬幸典=安田拓人=島田聡一郎〔編〕弘文堂
参考文献『よくわかる刑法〔第3版〕』井田良=佐藤拓磨〔編著〕ミネルヴァ書房
参考文献『判例の読み方 シッシー&ワッシーと学ぶ』青木人志有斐閣

準備学修の内容

【予習】毎回、講義の最後に翌週の講義内容を予告しますので、上記「教科書」の該当箇所(特に、事案の概要)を読んで予習してきてください。また、各回のトピックについて簡単に勉強したい場合は、上記「参考文献」(『よくわかる刑法〔第3版〕』)の該当箇所を一読することをお勧めします。
【復習】講義後には、理解が追いつかなかった点やもっと深く知りたいと思った点について、上記「参考文献」の該当箇所を読んで復習するようにしてください。また、講義で扱った判例については、上記「教科書」をはじめとする判例教材(「参考文献」掲載のものも含む)の該当箇所に目を通すことを習慣化してください。

その他履修上の注意事項

・「刑法各論Ⅰ・Ⅱ」をすでに履修済み、または、並行して履修していることが望ましいです(刑法〔各論〕初学者も歓迎します)。
・講義では、毎回レジュメを配布します(講義後にLMSでも配信予定)。
・六法を毎回必ず(!)持参してください(小型のもので構いません)。
・質問や相談は、講義の前後に受け付けるほか、LMSにも専用の項目を設けます(内容の濃い質問やコメントは、翌週の講義でとりあげることがあります)。

授業内容

授業内容
第1回<イントロダクション> 講義の進め方|講義内容の概観|判例の探し方・読み方
第2回<生命・身体に対する罪①> 胎児傷害|自殺関与罪と殺人罪の限界
第3回<生命・身体に対する罪②> 暴行によらない傷害|同時傷害の特例
第4回<自由・名誉に対する罪①> 親権者による未成年者略取|強制わいせつ罪における性的意図
第5回<自由・名誉に対する罪②> ビラ配布目的での集合住宅内への立入り|建造物侵入の意義
第6回<自由・名誉に対する罪③> 公共の利害に関する事実の意義|公務に対する業務妨害
第7回<財産に対する罪①> 窃盗か占有離脱物横領か|死者の占有
第8回<財産に対する罪②> 暴行・脅迫後の領得意思|事後強盗罪における「窃盗の機会」
第9回<財産に対する罪③> 暴力団員による通帳の詐取|誤振込みされた現金の払戻し
第10回<財産に対する罪④> 不法原因給付物の横領|二重抵当
第11回<財産に対する罪⑤> 被害者に対する盗品の処分あっせん|公衆便所への落書き
第12回<社会的法益に対する罪①:公共の安全に対する罪> 建造物の現住性|建造物の一体性
第13回<社会的法益に対する罪②:公共の信用に対する罪|風俗に対する罪> コピーの文書性|電磁的記録の頒布の意義
第14回<国家的法益に対する罪:国家の作用に対する罪> 職務行為の適法性の判断基準|「職務に関し」の意義【LMSを利用したオンデマンド方式にて実施】
第15回【対面での試験を実施できる場合】秋期のまとめと学期末試験
【対面での試験を実施できない場合】秋期のまとめと学期末レポートの講評