刑法特講Ⅰ
担当者久保田 隆教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCRL-305

授業の概要(ねらい)

 本講義では、刑法総論・刑法各論の「2周め」として、1・2年次に学んだ内容を「広く浅く」復習したうえで、重要な判例について「狭く深く」学んでいきます。春期の「刑法特講I」では、刑法総論の主要論点に関する判例を毎回2つずつ検討します。

授業の到達目標

①刑法総論に関する主要な論点について、判例の内容を踏まえながら説明できる。
②刑法総論に関する最新の論点について、問題の所在および議論状況を的確に説明できる。

成績評価の方法および基準

【対面での試験を実施できる場合】学期末試験(100%)によって評価します(講義内容に関する質問・コメントなどを募集
し、その内容に応じて加点することがあります)。
【対面での試験を実施できない場合】学期末レポート(100%)によって評価します(加点については同上)。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『刑法総論判例50!』十河太朗=豊田兼彦=松尾誠紀=森永真綱有斐閣
参考文献『刑法判例百選Ⅰ総論〔第8版〕』佐伯仁志=橋爪隆〔編〕有斐閣
参考文献『判例プラクティス刑法Ⅰ 総論〔第2版〕』成瀬幸典=安田拓人〔編〕弘文堂
参考文献『よくわかる刑法〔第3版〕』井田良=佐藤拓磨〔編著〕ミネルヴァ書房
参考文献『判例の読み方 シッシー&ワッシーと学ぶ』青木人志有斐閣

準備学修の内容

 毎回、講義の最後に翌週の授業の内容を予告しますので、上記教科書の該当箇所(特に、事案の概要)を読んで予習してきてください。刑法総論について簡単に復習したいという人には、上記参考文献(『よくわかる刑法〔第3版〕』)の該当箇所を一読することをお勧めします。

その他履修上の注意事項

・「刑法総論Ⅰ・Ⅱ」をすでに履修済みであることを前提に授業を進めます(刑法初学者も歓迎します)。
・講義では、毎回レジュメを配布します(LMSでも配信予定)。
・六法を毎回必ず(!)持参してください(小型のもので構いません)。
・質問や相談は、講義の前後に受け付けるほか、LMSにも専用の項目を設けます(内容の濃い質問やコメントは、翌週の講義でとりあげることがあります)。

授業内容

授業内容
第1回<イントロダクション> 講義の進め方|講義内容の概観|判例の探し方・読み方
第2回<因果関係> 第三者の故意行為の介入|被害者の過失行為の介入
第3回<不作為犯> 不作為の因果関係|不作為による殺人
第4回<故意> 未必の故意|認識内容の具体性
第5回<錯誤> 具体的事実の錯誤(方法の錯誤)|抽象的事実の錯誤
第6回<過失犯> 予見可能性の対象・程度|予見可能性の対象としての因果関係
第7回<正当防衛①> 積極的加害意思と急迫性|自招侵害
第8回<正当防衛②> 防衛行為の相当性|過剰防衛の限界
第9回<緊急避難> 現在の危難と補充性|強要による緊急避難 【※LMSを利用したオンデマンド方式にて実施】
第10回<責任> 原因において自由な行為|違法性の意識
第11回<未遂犯・中止犯> 早すぎた結果の発生|中止行為の任意性
第12回<正犯と共犯①> 共謀共同正犯(1)|共謀共同正犯(2)
第13回<正犯と共犯②> 共犯関係からの離脱(解消)(1)|共犯関係からの離脱(解消)(2)
第14回<正犯と共犯③> 承継的共犯(1)|承継的共犯(2)/共犯と身分
第15回【対面での試験を実施できる場合】春期のまとめと学期末試験
【対面での試験を実施できない場合】春期のまとめと学期末レポートの講評