刑事訴訟法Ⅰ
担当者佐々木 知子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCRL-301

授業の概要(ねらい)

 刑事訴訟法は、事件が起きた後の捜査に始まり、公訴の提起→公判手続、の一連の流れを扱うものです(公判手続は後期で扱う)。 
 法の目的は、被疑者・被告人の人権を保障しつつ、実体的真実の発見に努めることであり、迅速・適正に処理されなければなりません。
 手続法は、実体法と比べて判例が重視されるし、理解の難しい面もありますが、自身の15年に及ぶ検事時代の話をし、また現在起こっている話題の事件の話も織り込んで、捜査や起訴の実務について具体的に理解しやすい授業を心がけています。
 書く力を重視しており、最後の授業内試験は論述式2問形式で実施し(レジュメ・指定参考書持ち込み可)、その模範答案・コメントはLMSにアップし、後期第1回で解説します。なお途中、中間試験をオンラインで実施し答案を作成して送付してもらう予定です。学生にも是非、積極的に取り組む姿勢を持ってもらいたいと思います。

授業の到達目標

 刑事訴訟法に関する基本的な知識を持ち、日々起こる事件の流れが分かり、人に説明できるようになること。

成績評価の方法および基準

 最後の授業内試験(論述式2問)の採点結果によって、成績を評価します(S10%以内、A~C各30%予定だがBが多くなる傾向あり。Dは例外的)。出席回数を受験資格としないし、出席点を加味することもしませんが、これまでの経験からして出席状況の良い学生ほど試験の点も高く、従って成績も良いので、自分のために出席を心がけて下さい。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書なし。私がレジュメを作成し、LMSにアップします。
参考文献『刑事訴訟法講義(第6版)』池田修・前田雅英著東京大学出版会

準備学修の内容

 配布レジュメ、参考書で予習復習するとともに、力がついてくれば是非、『刑事訴訟法判例百選(第10版)』(有斐閣)で判例を勉強してほしい。
 ことに捜査では、実務で起こる種々の問題について、被告人(弁護人)側が裁判で争うことにより、裁判所の判断が下されたもの(=判例)が法の解釈として定着するからである。

その他履修上の注意事項

 刑法総論はもちろん刑法各論も履修しておいてください。
 予習・復習をし、主体的に授業に参加すること。授業の最後15分を質疑応答に宛てており、質問大いに歓迎です。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
第1編 日本の刑事手続き①──刑事訴訟の歴史
第2回同②──刑事訴訟法の目的、刑事訴訟の流れ、刑事訴訟の基本原則
第3回同③──刑事手続の担い手
第4回第2編 捜査①──概説・捜査の端緒
第5回同②──逮捕
第6回同③──勾留
第7回同④──逮捕・勾留の諸問題
第8回中間試験(論述式2問)実施。オンラインで金~日曜に適宜作成し、送信してもらいます。ただし進行によっては1回程度ずれるかもしれないので、授業に出席してフォローしてください。
第9回上記の模範解答及びコメントをアップし、復習を兼ねて解説する。
捜査⑤──取調べ
第10回同⑥──捜索・差押え、諸問題
第11回同⑦──被疑者の防御権・捜査の終結
第12回第3編 公訴の提起①──概説、起訴状
第13回同②──公訴の対象
第14回同③──公訴の要件と効果、まとめ
第15回まとめと授業内試験(範囲は中間試験以降)