考古学総合実習
担当者阿部 朝衛教員紹介, 櫛原 功一教員紹介, 高木 暢亮教員紹介, 植月  学教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [文学研究科 日本史・文化財学専攻]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

 本年度は山梨県笛吹市の亀甲塚古墳で夏季休暇中に1週間程度の試掘調査を予定する。亀甲塚古墳では、フィールド調査を通して考古学の研究を進める上で必要な遺跡探索・踏査、地形観察・測量、発掘調査、出土遺物の整理、分析などの実践的知識と技術を学ぶことを目的として、古墳の墳形、時期の確認を目的に過去2回の考古学総合実習を実施している。遺跡の調査を実体験することで、発掘調査や埋蔵文化財への関心、興味を高めるとともに、考古学調査における各種技術を習得し、研究の姿勢を身につけるとともに、謎の多い亀甲塚古墳の実態を明らかにしていきたい。

授業の到達目標

1.遺跡調査の準備、開始から終了までの手順や作業内容、法的手続き、マネージメント能力を養う。
2.実習を通して遺物や調査地点の記録、測量機器の操作方法、写真撮影等の発掘調査に関する基礎的技術を修得する。
3.図面整理、出土遺物の洗浄、注記、接合、図化作業を通して報告書作成の手順を修得する。
4.発掘調査から整理作業を行うなかで、考古学への関心、興味を深め、考古学研究をおこなううえでの姿勢を学ぶ。

成績評価の方法および基準

 夏期の調査および出土遺物の整理作業、報告書作成に参加し、レポートを提出する。各種作業での学習態度、レポート内容によって成績を評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 教科書はないが、参考資料には必ず目を通すこと。
参考文献『発掘調査のてびき』文化庁文化財部記念物課監修同成社
参考文献『考古学調査・研究ハンドブックス』1~3雄山閣
参考文献「山梨県笛吹市亀甲塚古墳の研究-2017・2019年度の調査成果-」『帝京大学文化財研究所研究報告』第19集櫛原功一帝京大学文化財研究所

準備学修の内容

 対象とする遺跡、時代の研究概要を事前に理解し、調査後は結果に関する検討、整理作業に参加する。また多様な器材の取り扱い、準備、片付け、および実習前後の研究会等に積極的に参加すること。

その他履修上の注意事項

 実習前の説明会・準備会、および調査後の資料整理・研究会等に積極的に参加する。また発掘にかかわる技術だけではなく、考古学における研究・調査方法の概要を知り、法的手続きを含めた文化財マネージメントの重要性を理解する。

授業内容

 実際の作業は以下の通りとなる。
1.遺跡調査の準備(要項作成、機材準備、調査区設定など)
2.遺跡の発掘調査(調査区の掘り下げ、遺物の検出と取り上げ、遺構の記録、図化、埋め戻し、片付け等)
3.出土遺物・図面の整理(遺物の水洗、注記、接合、図化、写真撮影、図面作成)
4.報告書作成(調査経過、事実記載、考察等)