法律学演習Ⅱ
担当者喜多 康夫教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSEM-302

授業の概要(ねらい)

 本演習の目的は5つあります。第1に、国際法の基礎知識の習得です。第2に、リーガルマインドの涵養です。第3に、報告の仕方とレポートの書き方を身に着けてもらいたいと思います。第4に、他の人たちと協力して仕事ができるようになることです。
 第1点目と第2点目については、国際法の教科書について報告してもらい、できるかぎり教員と学生の間の対話を重視したいと思います。
 第3点目については、報告におけるレジュメの作成と報告の実施、および成績評価のためのレポートを作成してもらうことによって、学術能力を向上してもらいたいと考えています。
 第4点目については、授業での報告はグループワークとして行ってもらうことで、他の人たちとの協力作業を行ってもらいます。

授業の到達目標

 ①国際法の体系を理解することができる。
 ②基本的な世界の動向を知ることができる。
 ③論理的に自己の主張を展開できる。

成績評価の方法および基準

 各回における報告と質問票(60%)及びレポート(40%)により、成績を評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『基本国際法(第3版)』 杉原高嶺(有斐閣、2018年)
教科書『判例国際法(第3版)』 薬師寺公夫・坂元茂樹・浅田正彦・酒井啓亘 (編集代表)(東信堂、2019年)
教科書『ベーシック条約集 2022』 浅田正彦(編代)(東信堂、2022年)
参考文献

準備学修の内容

 報告内容をレジュメにまとめてもらい、グループとして報告をしてもらいます。その準備と予習は必要です。

その他履修上の注意事項

 【関連科目】この法律学演習は国際法のゼミなので、国際法の基礎知識はやはり必要です。そのため、国際法体系の全体構造に関する授業である「国際法Ⅰ(歴史・法源)」、「国際法Ⅱ(主体)」、「国際法Ⅲ(空間)」及び「国際法Ⅳ(秩序維持)」を履修することが望ましいと考えます。また、さらに国際法の専門分野として、「国際組織法Ⅰ/Ⅱ」「国際人権法」「国際安全保障法」「国際経済法I/II」「国際裁判所論I」「国際刑事法I/II」なども直接的にも、または間接的にもこのゼミに関連します。
 【学生へのメッセージ】学部生時代を振り返れば、一番楽しかった授業は演習でした。ゼミ仲間との議論や親睦は今でもいい記憶です。本演習ではしっかりと勉強してもらいますが、勉強を知的な遊びと感じてもらえると嬉しいです。
 質問のある学生は、yaskita@main.teikyo-u.ac.jpにまでメールを送ってください。なお、その場合は表題に「・・・の件」とした上で、氏名及び学籍番号と用件の内容をメール本文に記して送ってください。

授業内容

授業内容
第1回・オリエンテーション
・前期レポートの講評
・班の形成
第2回①A班:国家の国際責任
第3回②A班:国家の国際責任に関する判例
(a)在テヘラン米国大使館人質事件
(b)ジェノサイド条約適用(ボスニア・ヘルツェゴビナ対セルビア)事件
第4回③B班:国際環境保護
第5回④B班:国際環境保護に関する判例
(a)トレイル溶鉱所事件
(b)パルプ工場事件
第6回⑤C班:国際紛争の平和的解決
第7回⑥C班:国際紛争の平和的解決に関する判例
(a)ロッカビー事件
(b)カメルーンとナイジェリアの領土及び海洋境界
第8回⑦D班:国際安全保障
第9回⑧D班:国際安全保障に関する判例
(a)国連のある種の経費事件
(b)カディ事件
第10回⑨E班:武力紛争法
第11回⑩E班:武力紛争法に関する判例
(a)広島・長崎原爆投下事件
(b)核兵器使用の合法性事件
第12回⑪F班:戦後処理
第13回⑫F班:戦後処理に関する判例
(a)オランダ元捕虜等損害賠償請求事件
(b)西松建設事件
第14回・任意の報告者による自由報告
第15回・オンライン授業としてのレポート提出