発達障害等の理解と指導・支援
担当者藤井 靖史教員紹介, 蒲地 啓子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [教職研究科]
科目ナンバリング

授業の概要(ねらい)

【教育と医療の連携】関連科目
 ・近年増加している、通常の学級に在籍する発達障害を中心とした特別な支援を必要とする児童生徒に対して行われる医療と教育を学ぶ。また虐待やいじめなど家庭環境や学校環境により学校生活に適応ができなくなる児童生徒についても、その理解と指導・支援について理解する。
 ・特別支援を必要とする子どもの特性を理解する。
 ・なお、講義では履修生の知識・経験に即して、教育関係者や発達障害の当事者・保護者等のゲスト・スピーカーを3回程度招聘する。ゲスト・スピーカーの助言により本講義内容を多角的視点から捉える力を身につける。
 なお、A類学生とB類学生との、基礎知識と教育経験の違いを考慮して、第5回から第10回の6回はA類学生とB類学生は別れて別々の教室で事例についてのプレゼンテーションとディスカッションを行う。

授業の到達目標

 ・A類学生は、主に発達障害のある児童生徒を理解し学級での支援を実践する力をつける。
 ・B類学生は、発達障害の児童生徒に対する学校での支援体制を理解し、校内での支援体制をコーディネートする力をつける。また、教育委員会での取り組みと課題を理解する。

成績評価の方法および基準

 発達障害等の理解と指導・支援に対する理解度(レポート)50%と、リアクションペーパー20%、授業に取り組む姿勢30%を基に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献発達障害医学の進歩 No.7有馬正高 他診断と治療社
参考文献絵とき脳と神経の科学小林繁 他オーム社出版局
参考文献自閉症スペクトラムの医療・療育・教育篠田達明 他金芳堂
参考文献発達障害児の医療・療育・教育松本昭子金芳堂
参考文献小児ケアのための発達臨床心理岡堂哲雄へるす出版
参考文献言語発達遅滞の言語治療小寺富子診断と治療社
参考文献発達期言語コミュニケーション障害の新しい視点と介入理論笹沼澄子 編集医学書院
参考文献放送大学テキスト「特別支援教育基礎論」 放送大学振興会
参考文献放送大学テキスト「特別支援教育総論」放送大学振興会
参考文献国総研「特別支援教育の基礎基本」ジアーズ教育新社
参考文献文部科学省「小・中学校におけるLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)」[大型本]

準備学修の内容

 授業で取り上げるテーマについての基本的知識については事前に調べておく。その上で、自己、または学校教育における課題を予め整理しておくこと。

その他履修上の注意事項

 学習した知識内容を常に最新のものに置き換えて行くことが必要である。その為には、学生各自が在学中から知識を更新していくための学習方法や情報獲得手段を獲得することが望まれる。リアクションペーパーには事前学習で調べた内容、授業内容への質問・意見を記載する。記載された質問や意見に対しては授業者は書面で返答するので、リアクションペーパーを利用し、学びを深めて欲しい。

授業内容

授業内容
第1回特殊教育から特別支援教育への変遷(1)
・特殊教育から特別支援教育への変遷の歴史的背景を学び、特別支援教育の意義と今後の展望について学ぶ。
・特別支援教育の制度と、さまざまな教育の場の特徴を理解する。
・就学指導の仕組みと就学指導基準を理解する。
第2回特殊教育から特別支援教育への変遷(2)
・特殊教育から特別支援教育への変遷の歴史的背景を学び、特別支援教育の意義と今後の展望について学ぶ。
・特別支援教育の制度と、さまざまな教育の場の特徴を理解する。
・就学指導の仕組みと就学指導基準を理解する。
第3回発達障害の診断
・自閉症スペクトラム障害と注意欠陥多動性障害、学習障害の生理と病理を学ぶ。
・精神医学の歴史的変遷の中で、発達障害をどのように捉えるべきかについて考えることができる。
・発達障害の診断方法を学び、その問題点を理解する。
第4回発達障害のある児童生徒の心理
・発達障害のある児童生徒の心理を学ぶ。
・児童生徒の視点に立った「困り感」を理解する。
第5回学校における発達障害のある児童生徒の理解
・発達障害のある児童生徒の学校における言動の特性を学ぶ。
・発達障害のある児童生徒の学習における困り感を理解する。
・教師が気付きにくいタイプの発達障害のある児童生徒の言動(どのような状況で、どのような言動がみられやすいか)を理解する。
・発達障害の児童生徒の実態把握と指導のための個別の指導計画を理解する。
・A類学生は、そうした児童生徒の学級での言動を把握する力をつける。
・B類学生は、そうした児童生徒の言動を校内全体で共有できるようにコーディネートする力をつける。
第6回A類学生は、医療機関を受診する発達障害の児童生徒の実態を学ぶ(1)。
B類学生は、発達障害等の児童生徒に対するの学級での実態や、いじめや虐待などさまざまな要因で学級に適応できなくなった児童生徒の実態を学ぶ。
第7回A類学生は、医療機関を受診する発達障害の児童生徒の実態を学ぶ(2)。
B類学生は、発達障害等の児童生徒に対する学級での支援や、いじめや虐待などさまざまな要因で学級に適応できなくなった児童生徒への支援の実態を学ぶ。
第8回A類学生は、発達障害等の児童生徒に対する医療的支援について学ぶ。
B類学生は、発達障害や虐待やいじめのために学校への適応ができなくなった児童生徒に対する学校への支援・関連機関との連携を学ぶ。
第9回A類学生は、発達障害等の児童生徒に対する学級での支援を学ぶ。
B類学生は、医療機関を受診する発達障害の児童生徒の実態を学ぶ。
第10回A類学生は、発達障害や虐待・いじめを受けて学校生活に適応できなくなった児童生徒に対する学校での支援を学ぶ。
B類学生は、発達障害等の児童生徒に対する医療的支援について学ぶ。
第11回A類学生は、発達障害や学校不適応の児童生徒に対する学校への支援・関連機関との連携を学ぶ。
B類学生は、発達障害等の児童生徒に対する教育と医療の連携の実際を学ぶ。
第12回発達障害のある児童生徒の学級での理解の実践(1)
・A類学生/B類学生は、学級における発達障害のある児童生徒の実態を報告する。
第13回発達障害のある児童生徒の学級での理解の実践(2)
・A類学生/B類学生は、学級における発達障害のある児童生徒の実態を報告する。
第14回発達障害のある児童生徒に対する学校での支援・学校への支援の理解の実践(1)
・A類学生/B類学生は、発達障害のある児童生徒に対する学校での校内支援体制を報告する。
・B類学生は、発達障害のある児童生徒に対する学校への支援体制を調査して報告し、課題について述べる。
第15回LMSで実施する。
発達障害のある児童生徒に対する学級・学校での支援と他機関との連携における学校への支援を理解する。
・A類学生/B類学生は、発達障害のある児童生徒に対する学校での校内支援体制を調査しまとめる。
・B類学生は、発達障害のある児童生徒に対する学校への支援体制を調査して報告し、課題について述べる。