担当者 | 黒田 美保教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 1単位 [文学研究科 臨床心理学専攻] | |
科目ナンバリング |
グループでの事例検討では,もちろん現場での臨床的な当事者間のリアリティはある程度損なわれざるを得ないが,当事者間だけでは見失いがちな客観的視点を取り戻し,視野を広げ,技法や理論・病理などの理解を深め,孤立せずに支えを得ることが可能である。これは報告者だけではなく,参加者にも有用な方法であり,まさに,心理療法家となるうえで必須のトレーニングといえる。
初学者として事例検討会に陪席することで,事例検討の実際について学ぶ。つまり,詳細に報告された事例からケースの見立て方や面接の進め方を学び,教員を含めた参加者とでなされる討論から,様々な立場からのケースへのアプローチや論点について学ぶ。この実習は,心理療法の実践的なトレーニングの第一段階となるものである。そのための準備として,まず事例検討会がどのようなものなのかを教科書を使い討論する。さらに,事例検討会に実際に参加する中で,並行して発表の内容の理解を深めるためのふりかえりや,児童・思春期の参考書の内容の討論,テーマに即した記述を実践的に進める。
本実習は,初学者としてケースカンファレンスに参加するものであり,準備を含めた参加の態度や守秘義務の遵守,クライエントの尊重といった心理療法家の基本を習得する。
授業と事例検討会への参加の態度(40%),発表(20%),事例検討後のレポートとオンラインの課題のレポート(40%)を総合的して評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 事例検討会から学ぶーケースカンファレンスをつくる5つのエッセンス | 成田善弘 渡邉素子,北島智子,佐竹一予,徳冨里江 | 金剛出版 |
参考文献 | 授業の中で適宜紹介する。 |
関連する各講義(心理療法特論,臨床心理学特論,臨床心理面接特論など)を受講することはもちろん,各講義で提示された文献を読み,事前学習を欠かさず,積極的な態度で臨んで欲しい。心理療法に関する知見を深めて置くことが望ましい。また、事例検討会の参加後は次週までにレポートを作成し提出する。
心理臨床センターでのケース担当のために必須の授業であり,必ず履修すること。
心理臨床家としての基盤となる姿勢や態度を身につける授業であり、真摯で主体的な参加が望まれる。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーションと心理臨床センターの入室について スケジュールについて |
第2回 | 教科書第1章(事例の選定・資料作成・プレゼンテーションの仕方を通して事例検討会の発表について学ぶ)の発表と討論1 |
第3回 | 教科書第2章(事例検討会への参加の仕方を学ぶ)の発表と討論2 |
第4回 | 教科書第3章(事例検討会に参加した後での参加者の成長について学ぶ)の発表と討論3 |
第5回 | 事例検討会 |
第6回 | 事例検討会のふりかえり 児童期参考書指定箇所についての発表と討論1 |
第7回 | 児童期参考書指定箇所についての発表と討論2 エピソード記述とは |
第8回 | 児童期参考書指定箇所についての発表と討論3 エピソード記述 |
第9回 | 事例検討会 |
第10回 | ワークディスカッション |
第11回 | 思春期指定箇所についての発表と討論1 エピソード記述発表① |
第12回 | 思春期指定箇所について討論2 エピソード記述発表② |
第13回 | オンライン:子どもの事例の考え方(オンラインの内容についてレポートを提出)オンデマンド形式 |
第14回 | 事例検討会 |
第15回 | 事例検討会のふりかえり 授業のまとめと後期の授業に向けてのガイダンス |