東洋史概説Ⅰ
担当者楯身 智志教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHAA-101

授業の概要(ねらい)

 本講義では、中国を中心とする東アジアの通史について概括的に扱う。大学入学までに学習してきた世界史(特に中国史)の内容を復習するだけでなく、そこでは扱われなかったやや高度な要素も積極的に扱う。具体的には、事件・人物・制度などに関する歴史資料を読み解いたり、歴史の背後に隠れた事実に注目したり、研究者が直面している最新の問題点についても、可能な限り言及する。これにより、歴史的知識を受動的に学習するだけでなく、歴史の中に潜む疑問点や問題点を自ら探し出せる目を養ってもらいたい。
 また、本講義で中心的に扱われるのは「東洋史」だが、東洋史以外のテーマ(日本史・西洋史・考古学・地理学・美術史など)に興味のある学生にも配慮し、「王朝とは何か」、「権力とは何か」、「歴史と地理にはどのような関連性があるのか」、「歴史と文化にはどのような関連性があるのか」など、ある程度汎用的なテーマについても積極的に問題を提起していく。史学科で学修できる学問は多種多様だが、それらは相互に密接に関連していることも事実である。「自分が興味のあるテーマだけ勉強していればよい」という考えは捨て、さまざまなテーマに興味を持ってもらう、そのきっかけとなるような講義になるよう努めたい。
 前期では、中国文明の発祥からモンゴル帝国の成立・発展までの歴史を扱う。

授業の到達目標

・中国を中心とする東アジアの歴史を通時代的に理解する。
・中国の歴史を手がかりに、自分の関心がある他地域・他時代の歴史的テーマに関する問題意識を深めることができる。

成績評価の方法および基準

・確認テスト・コメントペーパー40%
・中間レポート30%
・期末レポート30%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特になし
参考文献新もういちど読む山川世界史「世界の歴史」編集委員会編山川出版社、2017年
参考文献詳説世界史研究木村靖二ほか編山川出版社、2017年
参考文献もういちど読む山川世界史PLUS—アジア編木村靖二ほか編山川出版社、2022年
参考文献もういちど読む山川世界史PLUS—ヨーロッパ・アメリカ編木村靖二ほか編山川出版社、2022年

準備学修の内容

・教科書を用いて毎回の授業の予習をしておくこと。
・授業終了後、配布プリントなどを見直し、授業内容の概要について振り返るクセをつけておくこと。

その他履修上の注意事項

・私語など、他の受講者の迷惑になるような行為は控えること。
・授業内容をただ鵜呑みにするのではなく、その中から積極的に疑問点や問題点を探し出すように努めること。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回都市国家と王朝の成立:中国文明の成立、殷、周
第3回領域国家の成立と思想・学術の争鳴:春秋時代、戦国時代
第4回始皇帝の中華統一と項羽・劉邦の戦い:秦、楚漢抗争期
第5回「郡国制」の実態と武帝の覇業:前漢1
第6回儒教の成立・発展と外戚・宦官の政治闘争:前漢2、新、後漢
第7回「三国志」の英雄たち:三国時代
第8回中間レポート出題およびレポート作成指導
第9回北族の侵入と貴族たち:西晋、五胡十六国時代/東晋、南北朝時代
第10回「拓跋国家」の成立と東西対立の継続:隋、唐1
第11回武則天と玄宗と安禄山:唐2
第12回両税法と「征服王朝」と千載不決の議:唐3、五代十国時代、北宋1
第13回心配する士大夫と決起する民衆と侵略する北族:北宋2/遼・金・西夏、南宋
第14回チンギス・ハンの偉業と伝説:モンゴル帝国1
第15回総括 ※オンライン