担当者 | 岡本 勉教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [経営学科] | |
科目ナンバリング | MAN-314 |
つい10年、20年前は、ちょっと大きな駅で電車を降りると、駅前に銀行の支店がずらりと並んでいたものです。
ところが、いま、例えば、帝京大学の最寄りの駅、多摩センターや聖蹟桜ヶ丘の駅前で、銀行の支店を探そうと
しても、なかなか見つかりません。銀行の支店はほとんどなく、ようやく見つけたら、ただ、ATMのコーナーだった
というのが実情でしょう。
八王子のような大きな駅でも、似たようなものです。
そうです。いま、銀行の支店がどんどん消えています。
支店が減る以上、行員の数も減らさざるをえなくなります。だから、銀行の採用人数そのものが、減ってしまいました。
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どうしてそんなことになったのか?
銀行は、というより、金融業界は、いま、大きな変革期を迎えています。
まず、銀行がもうからなくなってしまったのです。
いま、私たちが銀行に預金をしても、利子が0.001%ぐらいですから、利息など、ほとんどつきません。
銀行としても、企業に融資する金利も低くなるわけですから、利益が出なくなりました。
インターネットによって、ネットバンキングも当たり前になってきました。
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みなさんが知っている大手の銀行の名前を挙げてみてください。
みずほ、三井住友、三菱UFJの3つは、すぐに出てくるでしょう。りそなの名前も挙がるでしょう。
それで、4つです。
しかし、1990年代には、日本の銀行はもっと数があり、都市銀行と呼ばれる大手銀行だけで13行もありました。
都市銀行だけではなく、長期信用銀行、信託銀行と分類される銀行もありました。
1980年代、日本の大手銀行は世界最強をうたわれ、世界の銀行のトップ10のうち、6、7行を日本の銀行が占めていました。
それがいまはすっかり様変わりし、大手銀行は冒頭に挙げた4行に減ってしまいました。
長期信用銀行はなくなり、信託銀行も数が減りました。
たかだが、20年、30年のうちに、何が起きたのでしょうか。
日本の金融機関は、激動の時代に巻き込まれています。
激動の時代、金融機関の過去、現在を確認し、未来を展望します。
日本の金融界は、この20年ほど、まことに激しく動きました。いまも、その激しさは、収まったわけではありません。
就職に関連して言えば、日本の銀行は、採用する学生の数を、びっくりするほど、減らしています。
それは、金融界の激しい動きの延長線上にあります。
日本の金融界は、いったい、どうしてそんな激しい動きに陥ったのか。
それをしっかり理解し、日本の金融の現在を把握するのが、講義の目標です。
講義形式ではありますが、質問をたくさんします。積極的に答えてください。
万一、オンライン講義になった場合は、毎回、課題を出します。解答の提出で、出席とします。
講義の最終回には講義内試験をします。
そうしたものの総合評価で、成績を決めます。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | とくに定めませんが、新聞、テレビ、あるいはネットでもかまいませんが、日々のニュースを、しっかりウオッチしてください。 | ||
参考文献 |
金融の動向も、経済だけではなく、政治、国際、社会の動きからも、大きな影響を受けます。
君たちは、その中で、生きています。
金融のニュースは、とっつきにくいかもしれませんが、日々のニュースを関心を持ってウオッチしてください。
第一に、この講義は、日々の経済ニュースをベースにして進めていきたいと思います。
シラバスを掲げておきますが、なにか大きなニュースが起きたら、それをテーマにすること
があります。
そのため、この講義は、必ずしも、シラバス通りに進むわけではありません。
シラバスは、あくまで目安と考えてください。
第二に、この講義のためのノートを一冊、用意してください。
小さなノートではなく、A4サイズのノート、いわゆる大学ノートを用意してください。
講義の内容を、しっかりと、ノートに取ってください。
講義では必ず、鉛筆(シャープペンシルでもかまいません)と消しゴムを持って来てください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | この回はガイダンスです。 日本の金融の現状をざっくりと説明し、日本の金融を勉強する意味を話します。 |
第2回 | 日本の銀行は、1980年代には、世界最強と見られていた。 それが、バブル崩壊後、一時、多くの銀行が倒産の危機に陥る。いま、ようやく回復して落ち着いてきた。 この20年を簡単に振り返る。 |
第3回 | 金融産業とは何か。 日本の金融は、次のように分類される。 ・ 3大銀行 プラス1 ・ 信託銀行 ・ 旧長期信用銀行 ・ 地方銀行 ・ 信用金庫、信用組合 ・ 政府系金融機関 ・ 郵便局 ・ 農協 その違いを理解する。 |
第4回 | 日本のメガバンク3行と、準メガバンク1行 その1 日本の大手銀行は、1990年前半まで、都市銀行と呼ばれる13行が活発に営業していた。 それは、 第一勧銀、富士、住友、三菱、三和、東海、三井、太陽神戸、協和、北海道拓殖、大和、さいたま、東京 ーーの13行だ。 それがいま、3プラス1の4行になった。その変遷を学ぶ。 |
第5回 | 日本の3大銀行プラズ1 の変遷 その2 (4)の続き |
第6回 | 財閥系銀行 上記の13行のうち、富士、住友、三菱、三井は、旧財閥系銀行と呼ばれる。 財閥とは何かを勉強する。 |
第7回 | 長期信用銀行の破綻 日本には、かつて、長期信用銀行と呼ばれる銀行があった。 それは、日本興業銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行の3行だ。 長期信用銀行は、戦後の日本企業を金融面から支えた銀行だった。 いまはみな、姿を消し、あるいは、姿を変えた。 長期信用銀行の役割を理解する。 |
第8回 | 日本銀行とは何か? 日本銀行とは、何をする銀行か。どこにあるか知ってますか。 日本銀行は、いま、日本の金利をマイナス金利にしている。 日本銀行の役割を理解する。 |
第9回 | 円ドル相場とは何か? 金融は、日本国内だけで仕事が出来るわけではなく、 アメリカや欧州、中国といった世界各国、地域と、取り引きをしなくてはならない。 円を使っているのは日本だけだから、アメリカと取り引きするには、ドルと交換する必要が出てくる。 それを外国為替と呼ぶ。 外国為替市場は、どこにあるのだろう。何をしているのだろう。 外国為替を理解する。 |
第10回 | 証券会社の変遷 銀行ではないが、証券会社も、金融機関と呼ばれることがある。 かつては、野村、大和、日興、山一が4大証券だった。 いまは山一が消え、野村、大和、日興の3社態勢になった。 証券業界の変遷を見る。 |
第11回 | 銀行が倒産した日 1997年11月、日本のサッカーが初めてワールドカップへの出場を決めた日、 北海道拓殖銀行が倒産した。 たまたま同じ日になったものだが、おかげで、当時の新聞のトップニュースは銀行の倒産で、 サッカーの扱いは極めて小さい。 北海道拓殖銀行に続いて、同じ11月に山一証券が倒産した。 この11月、日本人は、戦後初めて、銀行も証券会社も倒産するということを知った。 そのときのことを振り返る。 |
第12回 | 銀行はなぜ倒産するのか。前回からの続きです。 かつて、銀行は倒産するはずがないと思われていたが、 1997年11月の北海道拓殖銀行の倒産に象徴されるように、90年代後半には、銀行の倒産が相次いだ。 直接の原因は、バブル崩壊だ。 銀行は、なぜ、倒産するのか。そのメカニズムを考える。 |
第13回 | 低金利時代からマイナス金利へ 銀行に預金すると、利子が付きます。 1980年代までは、預金の利子は、5%-6%ぐらいありました。 利子が10%という時代もありました。10%もあると、退職金を1000万円もらった として、全額を銀行に預けると、1年でなんと100万円も利子をもらえたのです。 その時代は、金利生活も可能でした。 では、いまの利子が何%ぐらいか知っていますか? 0・001%ぐらいしかありません。 これを低金利と呼びますが、最近、日銀がマイナス金利を打ち出しました。 どうしてそんなことになったのかを学びます。 |
第14回 | 銀行の仕事の変遷 金利が5%も6%もあったころと比べ、いまの低金利時代には、銀行の仕事の内容も大きく変わりました。 利子が高いころは、ほうっておいても、お客さんがお金を預けに来てくれました。 いまでは、銀行に足を運ぶお客さんが減りました。 銀行の仕事も変わってきました。 銀行は、低金利時代になり、お客さんが減ってしまいました。 また、インターネットで取り引きをするインターネットバンキングも普及してきました。 そうすると、銀行は、支店がだんだん不要になってきました。 実際、最近、駅の回りでも、銀行の支店がどんどん減っています。 そうなると、銀行の新規採用が減り、これは、就職戦線にも大きな影響を与えます。 その現状を理解します。 |
第15回 | 半年の内容を踏まえ、最後に、まとめと講義内試験を実施します。 |