幼児理解の理論と方法
担当者岡田 たつみ教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングEDU-216

授業の概要(ねらい)

 幼児理解は保育の出発点であると言われる。こどもを当該年齢の幼児としてみるのではなく、今、目の前にいる一人一人を理解しようとする姿勢が保育者に求められる。理解しようとしてはじめて保育を計画し、実践し、省察することができる。そしてまた新しい幼児理解が積み上げられ、次の保育計画へと続いていく。それでは、幼児を理解するとはどのようなことなのであろうか。他者である幼児を理解することはできるのだろうか。
 本科目では事例研究やDVD視聴、フィールドワークを行い、幼児の気持ちや他者との関係を探ることを試みる。またエピソード記録のとり方と考察の仕方を学習する。記録をもとにグループワークをすることにより、自らの考え方と向き合う。また、グループの討議内容をプレゼンテーションし、受講者全体で共有し考察する。本科目では、自らの価値観と幼児理解の関係を明らかにし、「幼児を理解する」とはどのようなことなのか、どのような方法で理解に近づけることができるのかについて考察をすすめる。

授業の到達目標

①記録や振り返り、他者の意見から、自らの意見を見つめ直そうとする姿勢を修得する。(態度・志向性)
②幼児理解とはどのようなことなのか、他者に説明することが出来る。(知識・理解)
③幼児理解、保育計画、保育実践、省察の関係の基本的な考え方を習得する。(技能、態度・志向性)

成績評価の方法および基準

授業に対する姿勢(到達目標①,②,③)30%、
課題レポートなどの提出(②,③)30%、
試験40%(②,③) を総合して評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書幼稚園教育要領解説 保育所保育指針解説 幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説文部科学省 厚生労働省
チャイルド本社
参考文献『子ども理解とカウンセリングマインド 保育臨床の視点から』著者代表 青木久子萌文書林
参考文献幼児理解からはじまる保育・幼児教育方法小田豊・中坪史典建帛社

準備学修の内容

 ①幼稚園、保育所ボランティアなどに参加し、事例を記録し、こどもの気持ちを考える。
 ②ボランティア記録、授業ノート、読書感想文などの自分の記録を振り返り、授業に臨む。
 ③振り返ることで見えてきたことを、レポートする。
 ④事例研究、DVD視聴後のディスカンション後には、必ず自分の考えをまとめ記録をすること。
 ⑤毎回授業終わりに課題を出すので、LMSにて提出すること。

その他履修上の注意事項

 ・仲間との意見交換の際には、「話してみよう」「聞いてみよう」という主体性を持つこと。
 ・グループでの討議、グループワークには、積極的に参加すること。
 ・自分が授業を作る一員であることを自覚すること。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション 
 他者とかかわるということ
第2回関係性の中に生きる「わたし」
 自分の様々な側面を知る
第3回カウンセリングマインド
 カウンセリングマインドとは
第4回カウンセリングマインドと保育臨床
 幼児を理解しようとする姿勢
第5回幼児理解と援助の手がかり
 保育者の専門性としての理解と援助
第6回遊び理解と援助
 保育における遊びの援助方法
第7回幼児の遊びと保育者 (オンライン授業)
 幼児の主体性を育てる援助方法、環境設定
第8回個と集団の育ち
 友だち・仲間との関係性理解と援助
第9回グループワーク① 
 保育DVD視聴とディスカッション
第10回グループワーク②
 <その子>理解に関するディスカッション プレゼンテーション準備
第11回プレゼンテーション①
 <その子>理解に関するプレゼンテーション
第12回プレゼンテーション②
 関係性理解に関するプレゼンテーション
第13回保育記録と省察
 幼児理解・保育計画、保育実践、省察
第14回保育記録
 保育に生きる記録とは
第15回まとめと試験
 第1回~14回までの振り返りと試験