不動産法Ⅰ
担当者羽生 明彦
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCIL-309

授業の概要(ねらい)

 不動産取引を中心課題にします。不動産の取引には近年次々と大幅な条文改正された、市民法の基本法である民法及び不動産登記法・借地借家法・建物の区分所有等に関する法律・宅地建物取引業法等の周辺の法律の理解が不可欠です。不動産の取引には当事者の事実関係及び法律関係・意思表示・物権変動・登記手続き完了に至るまで多くの論点がありますので、それらの基礎知識が身に付くように講義を進める予定です。又、民法等の実体法(施行日が到来していない改正条文に基づいて講義します。)と不動産登記法等を中心とした手続法の接点について実例及び判例をふんだんに挙げながら講義を進めます。特に不動産登記簿の解読方については必ず身に着けてもらいたいと思っています。講義が机上の空論にならないよう、実社会での不動産取引等を例示し、法律の実務運用にも理解が及ぶよう、学習していきましょう。
 法律を学ぶ際には六法を常に携帯し開くことが重要です。授業には持ち運びに便利な有斐閣ポケット六法を使用します。価格は税込みで2,090円ですので、必ず持参して下さい。授業中、条文の解説には六法を使用します。

授業の到達目標

 不動産売買・賃貸借契約書や登記事項証明書等実社会に於いて触れる可能性があるものについて法的根拠及び裏付けをもって解読できることが目標です。そこに至るための基礎的な法的考察力、又根拠となる条文を検索できるという手段を身に着けて下さい。

成績評価の方法および基準

 受講者全員の履修登録後第4回目授業以降を目処に、15回まで授業開始後10分から15分程度の時間で前回授業の要点に付いての択一式小テスト及び考査によって総合評価します。小テストを受験しなかった場合には欠席とみなしますので、就職活動等やむを得ない事情があることが予め決定している場合には、原則として予定小テスト実施前回の講義終了後までに、例外として当日にやむを得ない事情が発生した場合に限り、翌回の授業前までに書面にて申し出てもらえれば不受験の取り扱いはしません。小テストと考査の配分割合は、小テスト40%、考査60%と考えて下さい。考査未受験者は、評価対象外とし、考査は第15回の講義終了の翌週に論文形式で実施します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書不動産訴訟の実務から見た改正民法(債権法・相続法)POINT50澤野順彦青林書院(税込5,500円)
※必ず大学内の書店等で購入して下さい。
参考文献別冊ジュリストNO192 2008/7 不動産取引判例百選第3版安永正昭・鎌田薫・山野目章夫有斐閣(税込2,860円)

準備学修の内容

 予習は、毎回指定する範囲で行ってきて下さい。復習として、授業で確認した条文のチェック及び翌回の小テストのための準備を必ず行って下さい。条文を暗記することは不要です。何が何処に規定されているかを理解することが重要です。

その他履修上の注意事項

 授業には、必ず有斐閣発行令和4年度版ポケット六法を持参して下さい。令和3年以前のものですと、条文がかなり改正されていますので、充分注意して下さい。授業中、必ず六法を開きます。授業終了後、「法律と触れ合った」という実感が持てることを期待します。卒業後、どの分野に就職するにしても民法その他基礎法律知識は不可欠ですし、それ以上に大切なことは法的理論に基づいた思考を身に着けることです。

授業内容

授業内容
第1回不動産法の体系及び概念
第2回不動産取引に関する基礎概念
第3回法律行為の基礎概念
第4回不動産物権と物権変動
第5回物権変動と登記
第6回不動産売買の成立から終了まで
第7回オンライン授業(予定。第1回から第6回までの補足及び不動産登記簿の見方)
第8回不動産に関する権利①
第9回不動産に関する権利②
第10回相続法の基礎
第11回相続法の改正点及び関連法規
第12回建物明渡等請求訴訟の実務
第13回宅地建物取引業法の基礎知識①
第14回宅地建物取引業法の基礎知識②
第15回まとめ