担当者 | 堀田 結孝教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [心理学科 2018年度以降] | |
科目ナンバリング | SEM-202 |
人間は大規模で複雑な社会を形成し、自ら作り上げた社会からも影響を受けて生きている。
個人と社会の相互の関係は社会心理学において古くから扱われている研究課題であり、近年では経済学や人類学などの他の学問領域において進化及び適応の観点から活発に研究が行われている。
この演習では、人間の社会性の特徴として「強い協力性」と「文化の形成」をテーマとし、社会心理学及び周辺領域における関連する研究についての文献を読む。また、Rを用いたシミュレーションの演習を通して、個人の行動の集積が社会や文化の形成に至る過程を学ぶ。
後期は前期とは別のテキストを読み、前期で学んだことの復習をするとともに知識を更に深める。レジュメ及びパワーポイントを用いて内容の発表を行うとともに、受講生の間で議論を行う。
更に、テキストで紹介されている理論モデルを実際にシミュレーションで確認し、理論モデルを実証的に検討するすべについて学ぶ。
・社会心理学やその周辺領域における人間の社会行動に関する研究分野を理解し、社会心理学の学際性について説明することができる。
・文献の要点をまとめて他者に伝える方法を身につけることができる。
・関連する文献を探すなど、自発的に情報を調べることができる。
・理論モデルの検証を通して、科学的研究の方法について修得する。
文献の発表について、資料の出来や教員からの質問に回答できるかなど、内容の理解度を元に評価する(40%)。他の学生の発表内容を聞き、議論に参加しているかも成績評価の参考とする(10%)。シミュレーションの演習で定期的に練習問題を出題する(30%)。
更に、期末に全体の理解度を確認するための課題を出す予定である(20%)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 文化進化論ーダーウィン進化論は文化を説明できるか | アレックス・メスーディ 野中香方子訳 | NTT出版 |
参考文献 | Simulation models of cultural evolution in R. | Mesoudi, Alex | https://github.com/amesoudi/cultural_evolution_ABM_tutorial |
参考文献 | 文化進化の数理 | 田村光平 | 森北出版 |
発表の資料は他の受講生にもわかりやすいように準備をしておくこと。時間に余裕を持って準備しておくこと。
心理学基礎演習Ⅰの内容を復習しておくこと。
自分で使えるPCを持っている場合は、復習用にR及びRStudioをインストールしておくとよい(方法については授業内でも説明する)。
テキストは図書館(MELIC)にて指定図書として配架してある。
文献の内容の発表の際には、配布資料を受講生の人数分用意しておくこと。印刷は心理学科教育研究支援室(7号館8階)にてできる。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス:スケジュール、発表の担当ぎめ(オンライン) |
第2回 | 前期の復習 |
第3回 | 学生たちによる文献の発表(「文化進化論」第1章) |
第4回 | 学生たちによる文献の発表(「文化進化論」第2章) |
第5回 | 学生たちによる文献の発表(「文化進化論」第3章) |
第6回 | 学生たちによる文献の発表(「文化進化論」第6章) |
第7回 | 学生たちによる文献の発表(「文化進化論」第9章) |
第8回 | ここまでのまとめ |
第9回 | Rを用いた文化進化のシミュレーションの演習(Rの使い方の練習) |
第10回 | Rを用いた文化進化のシミュレーションの演習(文化伝達1) |
第11回 | Rを用いた文化進化のシミュレーションの演習(文化伝達2) |
第12回 | Rを用いた文化進化のシミュレーションの演習(累積的文化進化) |
第13回 | Rを用いた文化進化のシミュレーションの演習(文化的集団淘汰) |
第14回 | Rを用いた文化進化のシミュレーションの演習(社会的ネットワーク) |
第15回 | まとめ |