若者問題論Ⅰ
担当者井上 慧真教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSOC-325

授業の概要(ねらい)

若者問題は、教育・雇用・家族など多様な分野にわたり、また多くの関心を集めてきました。若者問題はときに1人ひとりの若者の個人的な問題として捉えられることがあります。しかし、よく見ると問題の背後に社会全体の課題があることがあります。若者問題論Ⅰは、とくに若者の「学校」、そして「就職」に関する問題を中心として、若者問題と社会全体の課題とのつながりについて考えます。

授業の到達目標

 若者をとりまく様々な問題について、自分自身の経験や自分の周囲の人々の経験に照らしながら、さらにより広い社会の問題として考えられるようになること。また、そのための手掛かりとなるこれまでの重要な事件・出来事やそれを読み解くための社会学的な考え方について理解すること。

成績評価の方法および基準

 授業中の小課題(40%)、期末レポート(60%)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『若者と労働--「入社」の仕組みから解きほぐす』濱口桂一郎著中央公論新社、2013年
参考文献『働く女子の運命』濱口桂一郎著文芸春秋、2015年
参考文献『教育の職業的意義--若者・学校・社会をつなぐ』本田由紀著筑摩書房、2009年
参考文献『教育文化の社会学』稲垣恭子著放送大学、2017年
参考文献『<高卒当然社会>の戦後史』香川めい・児玉英靖・相澤真一著新曜社、2014年
参考文献『若者の居場所・貧困・セカンドチャンス』青砥恭・さいたまユースサポートネット編太郎次郎社エディタス、2015年

準備学修の内容

 授業で扱ったテーマのなかから自分の関心のあるテーマを見つけ出し、関連する文献・論文・データ等を探し、読むこと。その内容を活かして期末レポートに取り組むこと。

その他履修上の注意事項

 期末レポートに関しては、授業中に示すガイドラインにしたがって執筆してください。
 
 

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
第2回若者問題を捉える視点―「青年期」を中心に
第3回「誰もが学校に通える社会」の成立
第4回高校からの中退と学び直しの環境
第5回就職活動と日本型雇用慣行
第6回日本型の人事管理と「正社員」
第7回日本型雇用慣行と若者―非正規雇用について
第8回日本型雇用慣行と学生生活―アルバイトの問題を中心に
第9回若者の初期キャリア―職場への適応とその障壁
第10回日本型雇用慣行と女性の労働
第11回日本型雇用慣行と家族形成―共働きの現状と課題
第12回日本型雇用慣行と家族形成―若者の結婚をめぐる意識の変化
第13回ポスト青年期の親子関係
第14回若者と社会的孤立―青年期のつまづきの経験とその支援
第15回まとめ