観察実習
担当者増渕 達夫教員紹介, 鈴木 賀映子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [教育文化学科]
科目ナンバリングEDU-211

授業の概要(ねらい)

 中学校・高等学校の教員を目指す教育文化学科の2年生及び3年生を対象とする。学科、教職課程での学修内容を踏まえて中学校や高等学校の教員の実際の指導を観察し、当該校の教員と質疑等を行うことにより、さらに深く学校・授業・生徒を理解し、教職への使命感や責任感を育み、今後の学修への意欲や目的意識を高めることをねらいとしている。
 全15回の授業のうち、6回分を学校訪問に充てる。そのために、9月(大学の夏季休業期間中)に集中講義形式で開講する。学校訪問日は、訪問校との調整によって7月ごろに決定するため、全日程について、確実に参加できるようにする。
(参考:2021年度の場合は9月3日に事前指導、9月6日と7日に学校訪問、9日及び10日に事後指導を行った。)

授業の到達目標

(1)授業観察及び教員との質疑等を通して、指導目標を達成するための授業展開の工夫、教材理解の重要性、評価方法を理解する。
(2)学級活動(ホームルーム活動)や部活動指導の観察及び教員との質疑等を通して、集団的指導と個別的指導の具体的な取組、生徒理解の方法や工夫を理解する。
(3)訪問する学校の現状や課題を理解するとともに、教育目標の達成に向けた学校組織や教員研修の実態を把握し、教員に求められる資質・能力について考察する。
(4)観察実習を通して学んだ内容を的確にレポートにまとめ、ICTを活用して分かりやすく発表するとともに、訪問校に対して礼状を出すなど、教員として求められるコミュニケーション能力や情報活用能力、表現力、マナーなどを体得する。
(5)教員として求められる資質・能力を身に付けることができるよう、自らの課題を認識し、学修計画を作成・修正する自己教育力を高める。

成績評価の方法および基準

(1)事前学修での活動計画(20%)
   訪問時の観察の観点や聞き取る事項など自らの課題意識を明確にした訪問計画を作成できる。
(2)実習時の行動観察(30%)
   事前学修での作成した計画に基づいて観点を明確にして授業等を観察したり教員に質問したりして必要な情報収集を行う行動ができる。
(3)事後指導での発表(20%)
   実習を通して学んだことを、学科や教職課程で学んできた内容と関連付けて理解するとともに、今後の学修の方向性を深め、ICTを活用して具体的に発表することができる。
(4)レポート等の作成(30%)
   実習を通して学んだことを、学科や教職課程で学んできた内容と関連付けて理解するとともに、今後の学修の方向性を考え、所定の様式でレポートとしてまとめることができる。また、実習校の校長に対して、適切に礼状を書くことがで 
  きる。
なお、本講座は集中講義・観察実習中心の授業のため、観察実習に欠席した場合は単位の修得は認められない。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 特に指定しない。
参考文献 特に指定しない。

準備学修の内容

(1)本講座は、学科や教職課程での学修を踏まえるため、使用したテキストや資料、ノート等を参照できるようにしておく。
(2)自らが専門とする教科については、学習指導要領の解説を読み、目標、内容、内容の取扱いについて理解しておく。
(3)実習先の学校のホームページを見て、事前に学校の概要を把握しておく。
(4)授業観察後に「振り返り」の時間が必要となる。グループディスカッションや共同作業を含めた授業時間外の作業が必要であることを想定しておく。

その他履修上の注意事項

(1)新型コロナウイルスの感染状況等にもよるが、受講者の上限は20名程度を想定している。履修希望者が多い場合には、3年生を優先として抽選する。
(2)履修希望者は、上級生ガイダンスの説明を確認した後、担当教員(増渕)にメールにて履修を希望する旨を確実に連絡する。状況によっては、受講者を集め、ガイダンスや説明を行うことがある。
(3)新型コロナウイルスの感染状況によっては、学校訪問ができなくなることもある。その際は改めて内容を連絡する
(4)担当教員と受講学生との連絡体制を確実にする必要があるため、担当教員から連絡が入ったら、迅速に返信する。
(5)実習校の協力があってはじめて成立する講座であることを十分理解し、健康管理、教職を志す学生としてのマナー等の遵守は厳しく求める。

授業内容

授業内容
第1回事前指導Ⅰ
 ○ 自己紹介と各自の課題意識の発表
 ○ 本講座の趣旨、内容等に関する講義
第2回事前指導Ⅱ(LMSによるオンライン授業)
 ○ 中学校教育及び高等学校教育の現状と課題に関する講義
 ○ 訪問校の概要に関する講義
第3回事前指導Ⅲ
 ○ 観察実習に向けた準備(教科別グループ協議)
  ・ 観察すべき事項の洗い出し
  ・ 質問内容の整理
  ・ 当日の行動計画
  ・ 事後指導に向けた役割分担
第4回観察実習Ⅰ(中学校または高等学校)
  ・ 学校概要説明(校長等による講義)
  ・ 授業観察(50分授業 2コマ)
  ・ 学級活動(ホームルーム活動)観察
  ・ 授業や生徒指導に関する質疑応答(教科担当者、教務部、生活指導部、進路指導部等)
  ・ 部活動観察
  ・ 活動のまとめ、全体質疑 
第5回観察実習Ⅰ(中学校または高等学校)
  ・ 学校概要説明(校長等による講義)
  ・ 授業観察(50分授業 2コマ)
  ・ 学級活動(ホームルーム活動)観察
  ・ 授業や生徒指導に関する質疑応答(教科担当者、教務部、生活指導部、進路指導部等)
  ・ 部活動観察
  ・ 活動のまとめ、全体質疑  
第6回観察実習Ⅰ(中学校または高等学校)
  ・ 学校概要説明(校長等による講義)
  ・ 授業観察(50分授業 2コマ)
  ・ 学級活動(ホームルーム活動)観察
  ・ 授業や生徒指導に関する質疑応答(教科担当者、教務部、生活指導部、進路指導部等)
  ・ 部活動観察
  ・ 活動のまとめ、全体質疑 
第7回観察実習Ⅱ(高等学校または中学校)
  ・ 学校概要説明(校長等による講義)
  ・ 授業観察(50分授業 2コマ)
  ・ 学級活動(ホームルーム活動)観察
  ・ 授業や生徒指導に関する質疑応答(教科担当者、教務部、生活指導部、進路指導部等)
  ・ 部活動観察
  ・ 活動のまとめ、全体質疑
第8回観察実習Ⅱ(高等学校または中学校)
  ・ 学校概要説明(校長等による講義)
  ・ 授業観察(50分授業 2コマ)
  ・ 学級活動(ホームルーム活動)観察
  ・ 授業や生徒指導に関する質疑応答(教科担当者、教務部、生活指導部、進路指導部等)
  ・ 部活動観察
  ・ 活動のまとめ、全体質疑 
第9回観察実習Ⅱ(高等学校または中学校)
  ・ 学校概要説明(校長等による講義)
  ・ 授業観察(50分授業 2コマ)
  ・ 学級活動(ホームルーム活動)観察
  ・ 授業や生徒指導に関する質疑応答(教科担当者、教務部、生活指導部、進路指導部等)
  ・ 部活動観察
  ・ 活動のまとめ、全体質疑
第10回事後指導Ⅰ
 ○ 観察のまとめ(受講者による発表)
  ・ 観察し、新たに認識したこと、認識を深めたことについて発表
  ・ 受講者間の質疑
  ・ 教員による補足
第11回事後指導Ⅱ
 ○ 発表準備(グループ作業)
  ・ 教科指導について
  ・ 学級経営(ホームルーム経営)について
  ・ 生徒の実態と校務運営組織について
  ・ 当該校の教員に求められる資質・能力等について
 ○ プレゼンテーション資料の作成
 ○ 役割分担等の打ち合わせ 
第12回事後指導Ⅱ
 ○ 発表準備(グループ作業)
  ・ 教科指導について
  ・ 学級経営(ホームルーム経営)について
  ・ 生徒の実態と校務運営組織について
  ・ 当該校の教員に求められる資質・能力等について
 ○ プレゼンテーション資料の作成
 ○ 役割分担等の打ち合わせ 
第13回事後指導Ⅲ
 ○ 成果発表(グループ)と質疑
第14回事後指導Ⅲ
 ○ 成果発表(グループ)と質疑 
第15回事後指導Ⅳ
 ○ 担当教員からの指導及び講評
 ○ 礼状作成
 ○ レポート指示