マクロ経済学Ⅱ
担当者田中 賢治教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングECT-204

授業の概要(ねらい)

 本講義は,「入門マクロ経済学」でマクロ経済学の基礎的な理論や枠組みを学んだ学生を対象にしています.マクロ経済学は現実経済を分析するための学問です.今の日本経済が抱える諸問題は,マクロ経済学を用いて分析し,その解決策を検討することができます.
 すでにマクロ経済学の基礎を修得した皆さんは,本講義でマクロ経済学をもう一歩踏み込んで学ぶことで,マクロ経済学を用いて現実経済を理解し,分析する力を磨くことができます.本講義では,実際に統計データを見ながら現実の経済に向き合い,マクロ経済学を用いて日本経済の現状と課題について理解していきます.日々,経済に関するニュースが新聞紙上をにぎわしています.これらの情報を,マクロ経済学を用いて自分なりに考え理解できるようになることは,社会人になってから大いに役立つと思います.

授業の到達目標

(1)マクロ経済学の基礎的理論を修得するとともに,家計,企業,政府,外国の4つの経済主体の役割を理解し,その働きについて経済学を用いて説明することができる.
(2)マクロ経済にかかわる統計やニュースを正確に理解し,景気動向,金融市場,労働市場の実態などについて,説明できるようになる.
(3)日本経済の抱える諸問題について理解するとともに,それらに対する財政・金融政策の効果について分析できるようになる.

成績評価の方法および基準

期末試験50%,中間試験30%,確認テスト(LMSで実施)20%で評価します.

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『マクロ経済学・入門(第5版)』福田慎一・照山博司有斐閣,2016年
参考文献『演習式マクロ経済学・入門(補訂版)』福田慎一・照山博司有斐閣,2013年
参考文献『マンキュー経済学Ⅱマクロ編(第4版)』グレゴリー・マンキュー東洋経済新報社,2019年

準備学修の内容

(1)講義は基本的に教科書に対応した形で進めます.授業前日には講義資料をLMSに掲載しますので,事前に教科書と講義資料に目を通し,問題意識を持って授業に臨むこと.教科書を何度も読み返すことで理解が深まります.受講後にも,教科書を繰り返し読むことで理解度を高めてください.
(2)授業終了後にLMSで確認テストを実施します.授業で学んだことを復習し,確認テストを通じて苦手分野を克服すること.
(3)講義中に多くのマクロ経済統計を扱います.講義後にはWebサイトで統計の原典にあたることで,統計に慣れ親しむことが望まれます.

その他履修上の注意事項

(1)マクロ経済学をしっかりと修得するためには,「マクロ経済学Ⅰ」とあわせて「マクロ経済学Ⅱ」の履修が必要です.連続履修を基本とします.
(2)マクロ経済学は現実経済を分析するためのツールです.毎日,新聞の経済記事に目を通し,現実経済への感度を磨くこと.
(3)出席はカードリーダーのシステムで確認します.出席日数が少ないと期末試験の受験資格がなくなるので毎回出席すること.なお,講義中の私語などの迷惑行為は厳禁です.

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
授業案内,「マクロ経済学Ⅰ」で学んだ内容を振り返ります
第2回経済政策はなぜ必要か
経済政策の有効性について検討します
第3回財政赤字と国債
財政の役割と日本の累積債務問題について考察します
第4回インフレとデフレ
インフレとデフレの原因とコストについて考察します
第5回労働市場
失業とフィリップス曲線について学びます
第6回総需要・総供給分析(1)
総需要曲線と総供給曲線を学びます
第7回総需要・総供給分析(2)
物価とGDPの動きを分析するモデルを学びます
第8回ここまでの授業の総括と中間試験
第9回インフレ率の決まり方
将来期待を反映したインフレ率の決まり方について学びます
第10回非伝統的金融政策(オンライン授業)
デフレ脱却のために行われた非伝統的金融政策について学びます
第11回経済成長理論(1)
ハッロッド=ドーマー理論とソロー・モデルについて学びます
第12回経済成長理論(2)
内生的成長理論,成長と所得分配について考察します
第13回オープン・マクロ経済(1)
国際収支と為替レートについて学びます
第14回オープン・マクロ経済(2)
マンデル・フレミング・モデルについて学びます
第15回授業の総括と期末試験