神経・生理心理学Ⅰ
担当者早川 友恵教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングNGN-201

授業の概要(ねらい)

「こころ」の成立には、脳神経系の構造と機能が大きくかかわります。神経・生理心理学は、神経活動や生理指標により、「こころ」を知ろうとする学問です。本科目では「こころ」の諸活動の客観的評価やメカニズムを明らかにするために用いられる生理心理学的手法を紹介していきます。
生理心理学的手法は、ヒトのためのものづくりの現場や労働環境やこころの問題の評価に重要な知見を与えます。授業では、帝京大学心理学科が持つ豊富な測定装置を使って、生理計測の実際を見ていただく予定です。心理学の可能性を目の当たりにできる授業を展開します。

授業の到達目標

「こころ」がどのような神経活動によって成立つかを説明できる。さらに以下の能力を身につける。
 ①「こころ」の諸問題と脳神経系の関係について概説できる。
 ②基礎心理領域の知識を習得し、その法則や理論を説明できるデータ分析結果を総合的に考察し、
  立てた問いに対して柔軟な解釈を還元できる。
 ③実社会におけるこころの問題を測定・評価できる。

成績評価の方法および基準

試験成績および平常点を学期末に総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『神経・生理心理学』早川友恵・田邊宏樹(著)講談社
参考文献『新 生理心理学〈1巻〉』藤沢清(編)北大路書房
参考文献『新 生理心理学〈2巻〉』柿木昇治(編)北大路書房
参考文献『新 生理心理学〈3巻〉』山崎勝男(編)北大路書房
参考文献『ピネル バイオサイコロジー 脳—心と行動の神経科学』ピネル(著)佐藤敬他(訳)
西村書店

準備学修の内容

関連する図書および講義資料を事前に目を通した上で、授業に臨むことを期待する。

その他履修上の注意事項

学習意欲のある熱心な学生の参加を期待する。
 ※ 2018年度以降の入学生には、公認心理師受験資格に必要な科目です。
   2017年度以前の入学生は、心理学科のホームページを参照してください。

授業内容

授業内容
第1回脳神経と自律神経系の構造と機能および生理心理学の歴史を学ぶ。
第2回非侵襲脳機能計測法の歴史と計測法の特徴を学ぶ。
第3回脳波の計測原理・計測法および解析法を学ぶ。
第4回脳波(外因性電位)の記録方法および解析法を学ぶ。
第5回脳波(内因性電位)の記録方法および解析法を学ぶ。
第6回脳磁界計測法とデータの見方を学ぶ。
第7回機能的磁気共鳴画像の記録法とデータの見方を学ぶ。
第8回近赤外分光法・陽電子放射断層撮影法およびデータの見方について学ぶ。
第9回視線計測・眼球運動計測法とデータの見方を学ぶ。
第10回心拍・脈波の計測法とデータの見方を学ぶ。
第11回発汗・身体表面温度の計測法とデータの見方を学ぶ。
第12回瞳孔反応の計測法とデータの見方を学ぶ。
第13回唾液アミラーゼ等の計測法とデータの見方を学ぶ。
第14回平衡機能の計測法とデータの見方を学ぶ。(オンライン)
第15回講義内容を総括し、ディスカッションを行なう。