知的障害者教育概論
担当者中村  晋教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングSNE-203

授業の概要(ねらい)

【特別支援教育に関する科目・特別支援教育領域に関する科目・心身に障害のある幼児児童又は生徒の教育課程及び指導法に関する科目】
 特別支援教育とは、従来の特殊教育の対象の障害だけでなく、LD、ADHD、知的な遅れのない自閉症スペクトラムを含めて障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けて、その一人一人の教育的ニーズを把握して、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するために、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うものである。
 本授業では、知的障害のある子どもの発達と障害特性の理解を深め、特別支援学校や特別支援学級、通常の学級など多様な学びの場における個に応じた指導・支援の充実をはかる方法について学ぶこと目的とする。法令や学習指導要領及び具体的な指導事例に関する講義とともに、ビデオ視聴やグループワーク(演習)を行うことで実践的な指導・支援の修得を目指す。

授業の到達目標

・知的障害児を中心に特別支援教育に関わる教育資料、教育法令及び新・旧小学校・中学校・特別支援学校学習指導要領等をもとに特別支援教育の制度、各種の障害の理解、特別支援学校及び特別支援学級の教育内容、指導方法を説明できる。
・知的障害児の生活上・学習上の困難を改善又は克服するための包括的なアセスメントと支援の方法について理解を深め、生涯の自立と社会参加に向けた教育・支援のあり方について考えをまとめることができる。

成績評価の方法および基準

演習課題(第1講〜第14講)70%、レポート課題15%、論述課題(第15講)15%により総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
教科書特定のテキストは使用せず、授業内で資料等を配布する。
参考文献
参考文献(以下の出版物は、文部科学省HPで閲覧・ダウンロードが可能)
 文部科学省『特別支援学校学習指導要領解説・総則等編(幼稚部・小学部・中学部)』
 文部科学省『特別支援学校・高等部学習指導要領』
 文部科学省『特別支援学校学習指導要領解説・各教科等編(小学部・中学部)』
 文部科学省『特別支援学校学習指導要領解説・自立活動編(幼稚部・小学部・中学部)』

準備学修の内容

①授業の疑問点や新たな課題などについて調べ、学修の記録を整理すること。
②課題等は、根拠を明確にし、教育現場を想定して具体的に論述すること。
③教育法令(教育基本法、学校教育法、学校教育法施行規則)及び上記参考書を通して、特別支援教育の法的根拠の修得に努める。

その他履修上の注意事項

①障害児者に関する様々なメディアの情報に関心をもち、学齢期のみならず生涯の自立と社会参加を支援する視点で学校教育のあり方について考えて欲しい。
②第1回の授業において、授業の進め方、資料収集の方法、参考書、評価等について説明する。
③ボランティア活動など、障害のある児童生徒や障害者と接する機会を設けることが望ましい。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
 授業の目的と内容及び進め方、参考書、評価の方法等について
 ICFにおける生きることの困難さと知的障害
 特殊教育から特別支援教育への転換
第2回知的障害の定義及び発達と行動の特性
 知的障害者における学習上の特性と教育的対応の基本
第3回知的障害者教育における教育方法史
第4回知的障害者教育における「育てたい資質・能力」と各教科・領域の目標
 知的障害者教育における教育課程の特色
 「各教科・領域を合わせた指導」について
 「日常生活の指導」「遊びの指導」「生活単元学習」「作業学習」
第5回知的障害者教育における各教科の指導と学習評価
第6回領域「自立活動」の目的と内容及び指導の実際
 事例検討(グループワークによる支援計画立案の演習)
第7回知的障害者教育における「主体的・対話的で深い学び」について
第8回「交流及び共同学習」の目的と意義及び具体的実践
第9回知的障害者教育における職業教育(キャリア教育)と進路指導
第10回【LMS】
「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」の立案
第11回包括的なアセスメントと支援の実際
第12回行動問題のアセスメントと支援の実際
 事例検討(グループワークによる支援計画立案の演習)
第13回知的障害者教育におけるICTの活用
第14回知的障害教育における基礎的環境整備と合理的配慮
第15回まとめと論述課題