ホスピタリティマネジメント概論
担当者山中 左衛子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [現代ビジネス学科]
科目ナンバリングMAN-107

授業の概要(ねらい)

 あなたには、お気に入りの店はありますか。その店の何があなたの心を動かすのでしょうか。ホスピタリティ産業では、ハードウェア(モノ)、ソフトウェア(しくみ)、ヒューマンウェア(ヒト)をバランスよく構築することで顧客満足を高めます。ゲストとスタッフの間に信頼の絆が結ばれ、その絆は、利用すること自体が目的になるほど強いものです。
 皆さんは、前期はホテル業を対象に、日本とアメリカのホテルのプロフェッショナルの声や具体的なケーススタディをもとに優れたサービスとは何かを考えます。また将来のホスピタリティ産業のリーダーとして知っておきたい、ゲストとスタッフの心について理解を深めます。あわせて皆さんには、コロナ禍による人々の行動様式の変化、対面接客を中心とする産業のマーケットの変化、運営への影響、さらにSDGsへの取り組みについても紹介し、一緒に考えます。
 「ホスピタリティは戦略のようなもの、サービスは戦術」(『The Cornell on Hospitality』)という言葉があります。
 当講義におけるホスピタリティマネジメントでは、事業の存在理由、理念をスタッフが共有するしくみ、ゲストに選ばれ続けるマーケティング活動、スタッフが優れたサービスを提供するための組織マネジメントが一体化した経営を扱います。
 なお、産業界、マスコミからゲストスピーカーを招く予定ですが、授業日程は招致の都合で変更になることがあります。
 本講座では、ホテル企業の人材育成責任者としてのホスピタリティマネジメントの知識や実務、日本ホテル協会の研修委員を務めた教員自身の経験を活かして授業を行います。現場、マーケティング、開業準備室、アメリカのホテルでの勤務経験から、日米の現場のケーススタディにも企業研修の手法を取り入れています。

授業の到達目標

(1)ホスピタリティ産業の視点で、主にホテル業を中心に、ブランド価値を高める経営戦略としてのホスピタリティ
マネジメントを理解し、ホテルにおいて何が顧客満足や苦情につながるのか説明できるようになる。
(2)顧客接点の現場スタッフによるサービスという行動の過程を理解することで、現場のリーダーと経営の視点の
両面で多様な情報を収集・分析して適正に判断し、効果的に活用できるようになる。

成績評価の方法および基準

 中間テストまたはレポート(評価割合25%)と期末テスト(評価割合50%)、リアクションペーパー・小テスト・受講態度25%)により評価されます。講義への積極的な参加・協力には加点します。他の学生の迷惑になる私語(実際にクレームがあります)は1回目は注意、2回目は減点、退場を求めることがあります。ゲストスピーカーの講義時のいわゆる「爆睡」(最初から寝る体勢)は、ゲストに対し失礼であり、ゲストも講義に集中できないため注意の上減点します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書適宜資料を配付します。
参考文献
参考文献『宿泊産業論』徳江順一郎〔編著〕石川達也・植松大介・内田彩・木本和男・崎本武志・杉浦康広・髙橋祐次・田上衛・竹内俊彦
永山久徳・成実信吾・山中左衛子 『宿泊産業論』 創成社
創成社
参考文献『帝国ホテルの不思議』村松友視文春文庫
参考文献『リッツカールトンが大切にするサービスを超える瞬間』高野 登かんき出版
参考文献『パワーポーズが最高の自分を作る』エイミー・カディ早川書房
参考文献『The Cornell School of Hotel Administration on Hospitality』(英文)  Edited by Michael C. Sturman他John Wiley & Sons, Inc.

準備学修の内容

 (1)原則として各回の終わりに、次回のテーマに関連する課題を出しますので、準備して授業に参加しましょう。
 (2)宿泊施設、飲食店、美容室、量販店、コンビニ等で設備やサービス等、心地よいと感じることがあったら、
  何が良かったのか考える。またあなた自身がよく行く店について、なぜその店を選ぶのか自己分析してみましょう。

その他履修上の注意事項

  講座の内容から、挨拶を受けたら返す、ペーパーは両手で渡す、周囲への気遣いを基本的な姿勢として求めます。
  また授業中は礼儀として帽子は脱いでください。事情がある場合は、教員まで事前に応相談。
  なお第13回「組織マネジメント①」をLMSによるオンデマンド授業とする予定です。

授業内容

授業内容
第1回 オリエンテーション
第2回 新型コロナウィルスとホスピタリティ産業
 ホスピタリティとは何か
第3回 おもてなしとは何か おもてなしとサービス
第4回 組織文化ー理念と行動基準
第5回 ゲストの選択
第6回 ゲストの心
第7回 ゲストスピーカーによる講義(予定)
第8回 中間のまとめ
第9回 おもてなしの心と行動
第10回 コミュニケーション① 言葉とボディランゲージ
第11回 コミュニケーション② 苦情の心理と応対
第12回 コミュニケーション③ 異文化コミュニケーション
第13回 LMS:組織マネジメント①
第14回 組織マネジメント②
第15回 全体総括と期末テスト