授業の概要（ねらい）

研究テーマは「デジタル時代の法律学　Legal Studies in Digital Millennium-How to survive Cyber Society」

担当者が財産法の研究者なのでデジタル時代の民法「サイバー民法-Cyber Civil Law-」の観点から事件を考察します
具体的にはインターネット上で他人の権利や法律上保護するべき利益を侵害してしまった場合、その者はどのような責任を負うのかに関して検討していきます。サイバー民法という概念は当ゼミナール開講時にはあまり主張されていませでしたが、最近は研究対象としても考察されるようになってきました。ゼミ生の皆様とは最先端の法的知識を共有できればと思います。さらに、情報セキュリティの専門家を招聘してデジタルデータプロテクションの実情を学びます。

当ゼミナールの扱う事件はあらゆる法律の保護法益を対象とするので、法律を俯瞰して見る姿勢を心がけてください。具体的には、情報化社会に対応して、個人情報や知的財産などの先端的財産権の侵害や、インターネット社会特有の行為形態で行われる権利侵害・法益侵害を考察していきます。さらに、多様化する侵害形態に対応するべく、侵害形態は直接侵害と間接侵害の双方から検討していく予定です。また、日々発生する新しいビジネスモデルのチェックも怠らないようにしましょう（クリプトカレンシーの売買、メタバース不動産売買、IoT集積データ売買、NFTアート権利変動、ゲーム実況、アカウント売買、SaaS・PaaS・IaaSの法的問題…etc）

判例研究では指定されたテーマから調査分析担当学生グループが調査してきた成果を聴衆学生に講演していく形式で講義を進めます。したがって、ゼミ生は以下の手順で作業を進めていってください
（１）プレゼンテーターとなった学生グループは、他の学生諸君に迷惑のかからないように必ず予習をして投影資料を作成し、発表前日までに指導教員のメールアドレスに完成資料を送付する（前日までに完成原稿の送付がなかった場合には評価はありません）
（２）プレゼンテーション当日は、オーディエンスの学生に、事案の概要、争点、裁判所が採用した解決方法、第一審、控訴審、上告審で解決方法が異なる場合にはその比較をして発表する
（３）プレゼンテーションが終了したら、オーディエンスの学生が疑問点を解消するために、質疑応答の時間を設け、全員が発表内容について疑問がないようにする。（プレゼンテーターの学生グループは、オーディエンスの学生からの質疑についてその場で応答していただきますが、その場でこたえられなければ翌週応答していただきます）
（４）プレゼンテーターとなった学生グループは質疑応答の後、発表当日全員でディスカッションできるようにプレゼンテーションの最後に発表内容に関する問題提起（クイズ）をする（プレゼンテーターとなった学生グループは、問題提起に対して全員がディスカッションできるようにグループわけなどのファシリテーションをしてください）
（５）指導教員からの全体評価で修正点を指摘された場合には、プレゼンテーターとなった学生グループは資料を修正し、修正原稿を再度指導教員のメールアドレスに送付（最終講義日の２３：５９までに送付してください）

授業の到達目標

①法律の応用的な能力を身につける
②リーガルリスクマネジメントの設計方法を身につける
③自律と自立の双方が備わった人格形成

成績評価の方法および基準

授業の出席とプレゼンテーションおよび質疑応答により総合的に判断。
　　プレゼンテーション25％
　　質疑応答25％
　　ディスカッション25％
　　最終成果物提出25％

教科書・参考文献

準備学修の内容

ニュースなどで企業不祥事などやコンプライアンス違反事例をチェック

その他履修上の注意事項

このゼミナールのゼミ生には自律と自立ができる人間になっていただくことを最終目標としています
ゼミナールの主役は学生で教員はあくまでも船頭です
ゼミ生は、所属ゼミナールを各人が自律してまとめあげ、自らの頭で問題を発見し、課題克服の際には自ら問題意識を持って解決策を探求し、自分自身で課題を解決する姿勢を身につけていただきたいとおもいます

授業内容