演習Ⅰ
担当者徳山 英邦教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングSEM-301

授業の概要(ねらい)

 演習Ⅰでは、ビジネスゲーム演習等によって、会計学の学びの意義とグループ活動の意義に出会うことと、企業分析のための基礎を修得することをねらいとします。
 企業は、ヒト、モノ、カネおよび情報・技術を経営資源として活動しています。そしてその活動の成果を財務諸表(決算書)という報告書で、外部の利害関係者に伝達しています。この科目では、財務諸表の活用方法について学修します。財務諸表を活用する代表的手法が、比較分析です。ある企業と別の企業を比較したり(企業間比較)、ある企業の現在と過去を比較して(期間比較)、その良し悪しを判断します。これらの比較分析は、貨幣単位に基づいて行いますが、貨幣単位以外の評価軸でも対象物の評価は可能です。貨幣単位以外の評価軸でみるということは、ものごとの多面的見方・思考の基礎を形成することにつながります。これらの内容の学びあいをねらいとします。

授業の到達目標

 経済学部の学びの中の本科目の役割として、以下の4つを当初の成果目標とします。
1.コミュニケーションの重要性を理解し、自分の意見を提示しつつ他者と議論できる
2.問題解決に必要なデータや情報を収集し、他者に理解できるように整理して提示できる
3.必要なデータや情報を作成し、他者に理解できるように口頭やスライド等を用いて提示できる
4.メンバーに指示を出したり協力しながら、課題の解決案を作成できる
 上記の学びを成果として、以下の3つを到達目標とします。
1.企業経営に関する基礎的理論を理解し、説明できる。
2.企業経営の場で生起する実践的課題に対処できる専門的な知識・スキルと態度を有する。
3.企業経営に要求されるコミュニケーション力、リーダーシップ力、倫理観を有する。

成績評価の方法および基準

 授業中に行う財務諸表分析の作業状況・参加姿勢(75%)、レポート等(25%)を目安に、総合的に行います。演習科目は学生同士が学び合う側面が重要です。そのため、毎回の参画を前提として、ディスカッション等への姿勢が主要な評価要素です。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『全商会計実務検定試験 財務諸表分析』(十訂版)新田忠誓監修実教出版
参考文献『財務分析からの会計学』(第3版)森久/関利恵子/長野史麻/徳山英邦/蒋飛鴻/平屋 伸洋森山書店
参考文献『基本から学ぶ会計学』近田典行、他著中央経済社

準備学修の内容

 「学びの種を蒔く回」と「収穫(修得)の実感を伴う回」のタイミングが各回で完結しない箇所があります。当日内の答えの照合をあせらずに、試行錯誤する時間を大事にしてください。過去2回分との関連学習60分、学習全体における今回の学びの位置づけの理解30分、その未消化領域の復習30分を目安に学習してください。

その他履修上の注意事項

 学修内容は焦点を明確化する代償として、現実の様々な考慮要因を削ぎ落として、シンプル化しています。他方、現実は多面的で重層的です。楽しく学ぶためには理論と現実をつなげる好奇心というアンテナが必要になります。また、自分と異なる視点を持つ人々との切磋琢磨が必要になります。受講者同士で「なぜ?」の質問ができるように刺激を与え合う工夫と材料探し、そして学んだ内容の復習とその積み重ねを行なってください。
 また、楽しい雰囲気を作り、生涯の友も得るように努力してください。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス(授業の進め方、成績評価、履修上の留意点)、学修の必要性と序論
第2回 ビジネスゲーム演習:価格決定の論理
第3回 ビジネスゲーム演習:価格決定の考慮要因の発見①
第4回 ビジネスゲーム演習:価格決定の考慮要因の発見②
第5回 ビジネスゲーム演習:価格決定の道具としての損益分岐点分析
第6回 経営資源(ヒト、モノ、カネ)と利害関係者(ステークホルダー)
第7回 財務諸表の作成プロセス(作成者の視点)
第8回 財務諸表の相互関連(貸借対照表、損益計算書の意義と役割)
第9回 財務諸表の表示方法(勘定式と報告式)の雛型とその見方(ルールと要点)
第10回 損益計算書と貸借対照表の2つを活用する分析(1)
第11回 損益計算書と貸借対照表の2つを活用する分析(2)
第12回 演習(企業間比較)と分析の要点
第13回 演習(期間比較)と分析の要点
第14回 企業価値の分析
第15回 学修内容の要約、関心企業の選定:2社