担当者 | 稲垣 綾子教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [心理学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | PSY-201 |
子どもと家族に関わる心理臨床では,臨床心理学が紡いできたさまざまな理論と実践を基礎に,生物学的,発達的,精神力動的,システム的,社会文化的視点をふくむ多様な角度から人の存在や発達,関係性について理解を深め,対話していくことが求められる。
心理学基礎演習Ⅰでは,子どもと家族にかかわる臨床的な課題について取り上げる。虐待,発達の偏り,障害,不登校,いじめ,アタッチメント障害,ドメスティックバイオレンス,離婚,社会的養護,社会的ひきこもりなどである。本演習では,これらについて個人・家族・社会システムといった関係システムの観点から理解を深めていく。
本演習でとりあげるものは,現代社会が抱え,これからも探究し続けねばならない課題・難題でもある。本演習のねらいは,心理学や関連領域が取り組んでいる研究・実践知見を調べ,実際の時事も含めながら,文書によるまとめと発表・ディスカッションを通して,臨床的課題を多角的な視点でとらえる基礎を身につけていくことである。
1)子どもと家族の心理臨床における諸問題について,心理学や関連領域における文献・資料にアクセスし,詳しく調べ,文書にまとめて整理することができる。
2)発表やディスカッションを通して自分の考えや疑問を他者に伝えることができる。
3)現代社会が抱える多様な臨床的課題について,個人・家族・社会システムの観点から理解し,レポートとしてまとめることができる。
発表内容とテーマの理解30%,ディスカッション30%,レポート40%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 家族心理学ハンドブック | 日本家族心理学会編 | 金子書房 |
参考文献 | 家族療法テキストブック | 日本家族研究・家族療法学会編 | 金剛出版 |
参考文献 | 子どものための精神医学 | 滝川一廣著 | 医学書院 |
参考文献 | よくわかる臨床心理学 | 下山晴彦編 | ミネルヴァ書房 |
発表担当者は参加者が理解を深められるように,また参加者からの質問や意見に対応できるように,理解があいまいになっている部分を精査し,十分に調べて準備しておくこと。
必ず,テーマに関連した時事を呈示し,ディスカッションテーマを用意すること。
ディスカッションの際は,他者の意見を踏まえ自分の考えや問いを立てること。
わからなかったことは,自ら積極的に調べたり,質問したりすること。
子どもに関わらず,親世代、祖父母世代,さまざまな年代のニュースに関心をもつこと。
真剣に学ぼうとしている他の学生の邪魔をしないこと(私語,携帯電話,遅刻・欠席など)。
意欲的,積極的な発言と参加を求めます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション 個と関係性,コミュニティの視点から,子どもと家族の問題を考える |
第2回 | 自己紹介・発表決め,発表原稿作成の方法 |
第3回 | 文献・新聞記事検索の方法 |
第4回 | 個人・家族・社会システム:心理療法事例を通したディスカッション |
第5回 | 発達の偏り(学習障害/注意欠如多動性障害/自閉スペクトラム症) |
第6回 | 児童虐待/高齢者虐待 |
第7回 | アタッチメント障害/抜毛/自傷 |
第8回 | 不登校/いじめ/緘黙 |
第9回 | ドメスティックバイオレンス/摂食障害 |
第10回 | 離婚・シングルペアレント/再婚・ステップファミリー |
第11回 | 社会的養護/家族再統合/里親里子 |
第12回 | 貧困と家族/災害と家族/ヤングケアラー |
第13回 | 社会的ひきこもり/ワークライフバランス |
第14回 | レポート作成ガイダンス |
第15回 | まとめ (オンライン授業) |