担当者 | 岡部 遊志教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [経営学科] | |
科目ナンバリング | HUG-301 |
1.1 授業のねらい
本講義では経済地理学を学ぶ。経済学には様々な分野があるが,経済活動が行われている空間の広がりは考慮に入れることは少ない。しかし地域経済学や経済地理学という分野では空間の広がりを考慮し経済活動を分析している。本講義ではそうした学問分野の初歩的な解説を行いながら,地域を経済的に理解する方法を学ぶ。
1.2 授業の趣旨
グローバル化が進む中で多くの地域が国際競争や国内競争にさらされ、地域格差が広がっている。そうした中で地域を維持、発展させるためにはどうしたらよいのかという議論がされるようになってきた。そのためには地域についてよく知る,分析することが必要である。本講義を通じて地域を経済的に理解する方法を学ぶ。
1.3 講義の内容
前期では,まず、どのようにして人はそこに住むのか、そして経済が発生するのかについて、経済地理学、特に立地論の基礎を学ぶ。人がどのような場所に集まるのか,すなわち村落の立地や発展,都市の立地といったことを学ぶ。はじめは、高校の地理とオーバーラップする部分が多く,習得済みの方にとっては平易かもしれないが,留学生や高校で地理を履修していない方向けの内容も兼ねている。
次に経済活動がどのようなところに立地するのかということについて,立地論の基礎,つまり経済地理学の初歩を学ぶ。そして、産業の地域的編成を理解するとともに、グローバル化などによる産業の再編成についても学ぶ。その後、クラスター理論や内発的発展論など、これまでに行われそして将来の地域再生にも参考になる地域経済に関する理論を紹介する。
また,都市自体が持つ機能や都市の形態,そして現代の都市が持つ問題についても説明する。最後にどのように地域を維持・発展していくかについての政策的な課題を検討する。
1)立地論について基礎的な知識を習得し、空欄補充などの簡単な問題に答えられるようになる。
2)地域経済に関する様々な事柄の分布を説明できる
3)都市・地域経済に関する重要な概念について説明できるようになる。
4)事例の分析を通じ、都市・地域を多面的に理解してレポートを作成できるようになる。
「基礎的な知識を習得する」については予習復習や授業内の演習を中心に評価する(40%)。期末テストの空欄穴埋めも17.5%程度となり,合わせて全体の50%の割合を占める。また「地域経済に関する様々な事柄の分布を説明できる」は期末テストにおける地図問題で評価し,5%程度である。3つ目の「都市・地域経済に関する重要な概念について説明できる」については期末テストの記述問題で評価し,17.5%程度の割合を占める。そして「事例を分析し,地域を多面的に理解する」はレポートで評価し20%程度の割合を占める。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 |
事前学習は,事前に指定,配布した資料を読み,課題を行う。事後学習は授業で説明したことを復習できるような調べ学習の課題,または授業で扱った内容を個別の事例で調べ,問題に答えると言う形式で行う。なお,事前,事後学習のうち,事後学習の比重が多くなる。想定される時間は事前・事後学習含めて30分~1時間である。これらの課題はオンラインで行う。。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンスとイントロダクション |
第2回 | 都市とは何か&経済地理学とは何か |
第3回 | 村落の立地・都市の立地 |
第4回 | 立地論入門(1)農業立地と工業立地 |
第5回 | 立地論入門(2)中心地理論と都市システム論 |
第6回 | 立地論入門(3)産業集積 |
第7回 | 都市機能と都市の機能分化の歴史 |
第8回 | 産業の地域間分業と国内経済の再編成 |
第9回 | グローバルな分業とその日本への影響 |
第10回 | 都市の内部構造 |
第11回 | 都市化と郊外化 |
第12回 | 都市問題の概要 |
第13回 | 都市・地域問題対策(クラスター理論,内発的発展論,まちづくり) |
第14回 | 都市問題の事例 水と東京 |
第15回 | まとめ |