経済地理学Ⅱ
担当者岡部 遊志教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングHUG-302

授業の概要(ねらい)

1.1 授業のねらい
 本講義では経済地理学を学ぶ。経済学には様々な分野があるが,経済活動が行われている空間の広がりは考慮に入れることは少ない。しかし地域経済学や経済地理学という分野では空間の広がりを考慮し経済活動を分析している。本講義ではそうした学問分野の初歩的な解説を行いながら,地域を経済的に理解する方法を学ぶ。

1.2 授業の趣旨
グローバル化が進む中で多くの地域が国際競争や国内競争にさらされ、地域格差が広がっている。そうした中で地域を維持、発展させるためにはどうしたらよいのかという議論がされるようになってきた。そのためには地域についてよく知る,分析することが必要である。本講義を通じて地域を経済的に理解する方法を学ぶ。

1.3 講義の内容
 後期では具体的な事例の分析を通じて,現代の都市・地域がどのようになっているのか説明する。具体的には,まず戦後の日本経済の歴史と都市の関係を学んだ後に,様々な人口規模・機能を持つ都市に関して,事例を説明する.特に第2次世界大戦後の日本経済の歴史の中で、都市と農村の間にどのように格差が広がっていったか、そして、政府が格差是正のために行ってきた様々な政策について学ぶ。また,そうした地域経済の形成過程を踏まえたうえで、様々な人口規模の地域を取り上げ、分析する。

授業の到達目標

1)日本の様々な都市について,その成立過程や経済的な仕組みといった基礎的な知識を習得し、空欄補充などの簡単な問題に答えられるようになる。
2)地域経済に関する様々な事柄の分布を説明できる
3)都市・地域経済に関する重要な概念について説明できるようになる。
4)事例の分析を通じ、都市・地域を多面的に理解してレポートを作成できるようになる。

成績評価の方法および基準

「基礎的な知識を習得する」については予習復習や授業内の演習を中心に評価する(40%)。期末テストの空欄穴埋めも17.5%程度となり,合わせて全体の50%の割合を占める。また「地域経済に関する様々な事柄の分布を説明できる」は期末テストにおける地図問題で評価し,5%程度である。3つ目の「都市・地域経済に関する重要な概念について説明できる」については期末テストの記述問題で評価し,17.5%程度の割合を占める。そして「事例を分析し,地域を多面的に理解する」はレポートで評価し20%程度の割合を占める。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

 事前学習は,事前に指定,配布した資料を読み,課題を行う。事後学習は授業で説明したことを復習できるような調べ学習の課題,または授業で扱った内容を個別の事例で調べ,問題に答えると言う形式で行う。なお,事前,事後学習のうち,事後学習の比重が多くなる。想定される時間は事前・事後学習含めて30分~1時間である。これらの課題はオンラインで行う。

その他履修上の注意事項

授業内容

授業内容
第1回ガイダンスとイントロダクション
第2回現代の日本の経済地理的な姿
第3回日本の経済の歴史と都市・地域(1) -高度経済成長期の地域経済と地域間格差-
第4回日本の経済の歴史と都市・地域(2) -グローバル化・低成長時代における経済活動の再編と新たな動向-
第5回国家による地域開発(1) -全国総合開発を中心とした日本の地域開発の歴史-
第6回国家による地域開発(2) -日本の事例と海外の事例の比較-
第7回地域の調べ方
第8回大都市圏(1) -世界都市東京-
第9回大都市圏(2)-大阪と名古屋-
第10回地方中心都市(1)-札幌・仙台-
第11回地方中心都市(2)-広島・福岡-
第12回工業都市 -工業都市の特徴と今後の動向-
第13回地方都市 -地方都市の衰退と新たな活性化の取り組み-
第14回農山村 -過疎化に伴う農村経済の変容と再生への取り組み-
第15回まとめ