労働法Ⅱ
担当者藤木 貴史教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSOL-204

授業の概要(ねらい)

 私たちの社会では、多くの人が雇用されて労働し、賃金を得ることで生活しています。しかし、労働者は使用者よりも力が弱いため、適切な法規制がなされないと、さまざまな困難に直面することになります。労働法は、こうした困難を防ぎ、人間が人間らしく生きられようにさまざまな規制を行う法分野です。
 労働法IIでは、労働法Iを前提として、個別的労働法のうち社会的影響を受けやすい問題と、雇用保障法を講義します。労働法Iと労働法IIは連続性が強いので、両方連続して履修することを強く勧めます。
 この分野を学ぶねらいは、次の3点です。
 ①みなさんが、労働に関するトラブルに直面したときに、法的論点を把握することができる(カリキュラムマップ9)
 ②みなさんが、自分の直面したトラブルを解決するために、法的な解決策を提示できる(カリキュラムマップ11)
 ③みなさんが、トラブルを未然に防ぐために、自律・自立して複合的な法制度に関する知識を学習することができる(カリキュラムマップ4)

授業の到達目標

①個別的労働法の基礎的な知識を習得する。
②個別的労働法を知らない人に対して、労働法の仕組みを説明することができる。
③個別的労働法上の問題に対して、自主的・自律的に調査・学習する習慣を身に着ける。

成績評価の方法および基準

到達目標③の計測のために小テストを、到達目標①・②の計測のために中間テスト、期末テストを、それぞれ実施します。
[小テスト]3割(穴埋め問題/選択式問題により、基礎的知識の定着度を測る)
[中間テスト]2割(説明問題/事案問題により、労働法の仕組みを説明できるかを測る)
[期末テスト]5割(説明問題/事案問題により、労働法の仕組みを説明できるかを測る)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『ファーストステップ労働法』藤本茂ほかエイデル研究所(2020年)
参考文献『労働関係法規集(2021年版)』日本労働政策研究・研修機構日本労働政策研究・研修機構
参考文献労働判例百選(第10版)村中孝史・荒木尚志有斐閣(2022年)

準備学修の内容

[予習](1時間程度)
・LMS上からレジュメを印刷し、指示された部分の教科書を読みましょう。
・内容を忘れた場合、前回の講義音声を聞きなおしましょう(オンライン授業時)。
[復習](3時間程度)
・LMS上の小テストを解きましょう。
・その回の内容を友人・家族に説明できるか試してみましょう。
・教科書の「練習問題」を解いてみましょう。

その他履修上の注意事項

[授業を受ける姿勢]
・休まないで出席することは理解の前提となるので、その旨心がけてください。ゲームや私事は止めるよう注意をします。
・教科書の購入は必須です。試験の際には、原則、教科書のみ持ち込みを認めます。
・六法/法令集も授業に必ず持ってくること。また、自分で必要な条文を探せるようにしておくこと。
[授業の進め方]
・進度は学生の理解に応じて調整されることがあります。
・小テストはLMSを通じて毎回出題する予定です。出席のみ/オンライン授業を聞くのみでは平常点となりません。
・中間テストは、期末テスト対策のボーナス問題として位置づけられます(テストはレポートとなることがあります)
[関連科目]
 本講義の理解のためには、①日本国憲法、②民法(民法総則、債権総論、契約法)、③行政法、④民事訴訟法、⑤刑法などの基礎的知識があることが望ましいです(ただし、これらの科目未履修の学生も、この講義を履修して構いません)

授業内容

授業内容
第1回≪イントロダクション≫ 労働法と日本の雇用の現実/日本的雇用慣行
第2回≪人事制度(1)≫ 配転/出向、転籍
第3回≪人事制度(2)≫ 昇・降格/企業再編
第4回≪懲戒≫ 企業秩序論/懲戒処分の根拠と限界
第5回≪労働災害≫ 労災保険とは何か/通勤災害と労災保険/労災民訴
第6回≪雇用平等(1)≫ 女性活躍推進法/育児・介護休業法/労基法と母性保護/賃金差別の禁止
第7回≪雇用平等(2)≫ 男女雇用機会均等法/セクハラ、マタハラの防止
第8回≪講演≫「ハラスメントの法的対応の現状」
第9回≪非正規労働(1)≫ 総論/有期・パート労働者の保護
第10回≪非正規労働(2)≫ 有期・パート労働者の保護・均等待遇
第11回≪非正規労働(3)≫ 有期・パート労働者の均等待遇
第12回≪非正規労働(4)≫ 労働者派遣制度(1)
第13回≪非正規労働(5)≫ 労働者派遣制度(2)
第14回≪講演≫「労働基準監督官の業務とその実情」
第15回≪授業内試験≫