発展途上地域の社会と文化Ⅱ
担当者大塲 麻代教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [外国語学科 英語コース(2017年度以降)]
科目ナンバリングARS-302

授業の概要(ねらい)

今日、グローバル化が進む中で、先進国のみならず発展途上国でも急速な経済成長が遂げられています。他方、様々な格差が国家間だけでなく一国内でも生じています。例えば、国際NGOのオックスファム・インターナショナルによると、このコロナ禍において、世界の富豪上位10人の総資産額は倍増した一方、99%の人びとの収入は減収したことが報告されています。本授業では、このような格差社会とそれに伴う諸問題について、日本を含めたアジア・アフリカ地域を中心に広く学びます。具体的には、前期に貧困、格差、識字と教育を、後期にジェンダー、児童労働などを主なテーマとして取り上げます。本授業では、2015年9月に国連総会で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」にもふれます。講義科目ですが、受講生には発言が多く求められる授業です。

授業の到達目標

1) 現代社会が直面するさまざまな課題を把握し、異なる考え方を持つ他者と議論する中で、自らの最善の結論を出すことができる。
2) グローバル社会における国家間の複雑な相互依存関係について理解し、客観的な視点を持って分析できる。
3) グローバル社会における日本のあるべき未来像を客観的知識と創造的思考力をもとに構想できる。

成績評価の方法および基準

授業中の発言/発表(50%)、期末の課題(50%)で総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特になし
参考文献『Inequality Kills』① Oxfam InternationalOxfam GB, 2022
参考文献『途上国の産業人材育成−SDGs時代の知識と技能−』② 山田肖子・大野泉(著・編著)日本評論社、2021
参考文献『発展途上国の困難な状況にある子どもの教育―難民・障害・貧困をめぐるフィールド研究―』③ 澤村信英(編)明石書店、2019年
参考文献『ジェンダーと国際教育開発』④ 菅野琴・西村幹子・長岡智寿子(編)福村出版、2012年
参考文献『国際教育開発論:理論と実践』⑤ 黒田一雄・横関祐見子(編)有斐閣、2005年
参考文献『未来を変える目標 SDGsアイデアブック』⑥ 蟹江憲史(監修)紀伊國屋書店、2018年
参考文献https://sdgs.un.org/goals⑦ UN, Department of Economic and Social Affairs
参考文献https://dashboards.sdgindex.org/⑧ SDGINDEX
参考文献https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
⑨ 外務省, JAPAN SDGs Action Platform
参考文献https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/⑩ ユニセフ, SDGs Club
参考文献https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_report/⑪ 国連広報センター
参考文献その他適宜紹介

準備学修の内容

授業では多くのトピックに触れますが、すべてを説明することはできません。自主学習し、調べた内容を翌週の授業で積極的に発言/発表してください。

その他履修上の注意事項

テーマに関心を持ち、授業で積極的に発言して下さい。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(授業の目的、15回の流れ、成績評価ほか)
第2回SDGsが目指す社会とその背景にある問題
第3回コロナ禍におけるSDGsの現状
第4回ジェンダーのことばが意味すること
第5回ジェンダーと職業/社会進出
第6回ジェンダーと教育
第7回LGBTQ
第8回中間の振り返り
第9回児童労働の定義とその背景
第10回児童労働と教育
第11回児童労働への取り組み
第12回ジェンダー・教育・開発問題を再考する(議論)
第13回ジェンダー・教育・開発問題を再考する(発表)
第14回期末の課題
第15回授業の到達目標を振り返る