ラテンアメリカ文化論Ⅱ
担当者千代 勇一教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [外国語学科 2016年度以前入学]
科目ナンバリングARS-114

授業の概要(ねらい)

 グローバル化がますます進む現在、留学や海外旅行だけでなく、国内の日常生活でもさまざまな国籍を持つ人々と接する機会が増えていることと思います。皆さんには国境を超えたグローバル・シチズン(地球市民)として、世界各地の人々と協力してより良い社会の発展に貢献することが期待されているのです。そのためには、外国語の習得もさることながら、異文化理解力が鍵となります。異なる社会や文化について知ることは、多様なものの見方、考え方に理解を深め、自分自身の社会を見つめ直すきっかけともなります。
 「ラテンアメリカの社会と文化Ⅰ~Ⅳ」は、日本とも深い関係にあるラテンアメリカの文化と社会を総合的に理解することを目的としています。この「ラテンアメリカの社会と文化Ⅱ」は開発と格差の問題からアプローチします。ラテンアメリカは資源に恵まれた地域ですが、格差の問題が深刻です。これらは矛盾しているように見えて実は因果関係にあり、植民地期から現代に至る人間の欲望を満たすための資源開発がその背景にあります。講義ではキューバ、エクアドル、ボリビアで行われてきた様々な開発を事例として、格差の問題について詳しく解説をします。

授業の到達目標

【基礎】ラテンアメリカにおける開発の歴史に関する基本事項を理解する。
【応用】ラテンアメリカの開発と格差の関係をわかりやすく説明できる。
【発展】より良い開発のあり方について、文献やインターネットなどで調べ、分析し、わかりやすく説明できる。

成績評価の方法および基準

・評価の方法:小レポートなど授業参加:50%/試験:50%(【発展】の自主的なレポートについては別途評価します。)
・評価は修得目標への到達度に基づいてなされます。
※規定回数(10回)以上の授業への出席は成績評価を受けるための条件ですが、出席回数を満たしても単位取得はできません。
※授業内で出される課題の小レポートの内容、授業におけるマナーや学ぶ姿勢などが授業参加として評価されます。
※授業後の小レポート(LMS)を70%以上提出していない場合は授業参加をしていないと見なし、期末試験が満点(50点)であったとしても不可となります。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは使用せず、プリントを配布します。
参考文献

準備学修の内容

(1)授業後の小レポート課題(LMS)を必ず提出すること。
(2)小レポートや復習においては、レジュメやノートを見返して授業の復習を行うだけでなく、テレビ、新聞、インターネットなどを活用して積極的にラテンアメリカ諸国について調べてください。

その他履修上の注意事項

(1)ラテンアメリカの地図を見て、どこにどのような国があるのかを調べてきてください。
(2)ラテンアメリカに関して何らかの興味、関心、問題意識を必ず持って受講してください。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション:授業の進め方、評価方法、予定などの説明
第2回ラテンアメリカの格差:映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』におけるチェ・ゲバラのまなざし
第3回キューバと米国(1)キューバ革命の背景
第4回キューバと米国(2)米国人カメラマンの視点から見た革命後の50年
第5回エクアドル・アマゾンにおける石油開発(1)アマゾンの自然と開発の歴史
第6回エクアドル・アマゾンにおける石油開発(2)大企業に対する先住民の挑戦
第7回エクアドル・アマゾンにおける石油開発(3)政府をしのぐ巨大企業
第8回エクアドル・アマゾンにおける石油開発(4)狩猟採集民ワオラニの変容
第9回エクアドル・アマゾンにおける石油開発(5)ヤスニITTイニシアティブ:石油を掘らないという選択
第10回「気候債務」:資源開発と気候変動問題に関する途上国の視点
第11回資源開発を巡る自由な競争(新自由主義)に対する資源ナショナリズムとボリビアのガス戦争
第12回「雨さえも」資源争いの競争に?:映画『ザ・ウォーター・ウォー』からボリビアの水戦争を考える。
第13回ムヒカ元パラグアイ大統領の提案
第14回総括:ラテンアメリカにおける格差問題の理解度確認
第15回理解度確認の解説【LMSによる遠隔授業】