超域思想論Ⅰ
担当者宇多 浩教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [外国語学科 2016年度以前入学]
科目ナンバリングPHE-201

授業の概要(ねらい)

 この授業では、西洋の著名な思想家たちの思想に触れながら、西洋思想についての基礎的な教養を身につけることを目標とします。
 西洋の思想は、古代ギリシア・ローマ時代の思想を起点とし、中世キリスト教・ルネサンス・近代思想を経て、現代の思想に続いています。西洋思想は西洋文化全体の根幹にあり、西洋文化を知るうえで、西洋思想の知識は欠かすことができません。西洋文化を学ぶための前提として、西洋思想の基礎的な知識を身につけていただきたいと思います。
 授業では、一般向けに書かれた哲学書である『ソフィーの世界(上)』をテキストとして用い、各章に登場する有名な思想家の思想をその背景とともに学んでいきます(前期は古代ギリシア~ヘレニズム時代まで)。西洋の思想を学ぶことが目標ですが、同時に、ソフィーと哲学教師との対話・ソフィーが遭遇するさまざまな謎など、物語の展開も楽しんでいただきたいと思います。

授業の到達目標

・西洋の著名な思想家の思想について、その思想背景、重要用語、主要学説などを理解する。
・テキストを読みながら、それぞれの思想の重要なポイントを自分の言葉でまとめられる。

成績評価の方法および基準

・平常点(約60%)、中間試験(約20%)、期末試験(約20%)の3つによって総合的に評価する予定。
・平常点は、ほぼ毎回使用するワークシートの出来によって評価する。
・原則として、欠席が5回を超えた学生は失格扱いとする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『ソフィーの世界(新装版)上』ヨースタイン・ゴルデル 著NHK出版 2011年
参考文献『「ソフィーの世界」哲学ガイド』須田朗 著NHK出版

準備学修の内容

 この授業では、ほぼ毎回、次週に読む部分の要点をワークシートにまとめる作業をしていただきます。したがって、次週までに自宅等にてテキストの該当部分を読み、ワークシートを完成させる必要があります。

その他履修上の注意事項

 ・今期は15回の授業のうち、1回分がオンライン授業となります。14回目の授業をオンライン授業として実施する予定です。

授業内容

授業内容
第1回講義の概要
第2回シルクハット ― 哲学の「問い」にはどのようなものがあるか? 哲学の「問い」を立てることの大切さについて。
第3回神話から自然哲学へ (1) 神話がもつ意味は何か? 神話と哲学の思考はどのように違うか?
第4回神話から自然哲学へ (2) 自然哲学の系譜。世界は何から出来ているのか? 自然はどうして変化するのか? デモクリトスの原子論について。
第5回ソクラテス ― ソフィストとはどのような人々か? 「無知の知」とは? 善悪の基準は変化するのか、共通のものか?
第6回プラトン (1)  物の真の原因とは? 真に存在するものは何か? 感覚世界とイデア界
第7回プラトン (2)  洞窟の比喩について
第8回プラトン (3) プラトンの人間観。肉体と魂の二元論、魂の不滅について
第9回まとめと中間試験
第10回アリストテレス (1) 物の原因とは何か? 質料と形相、実体の四原因
第11回アリストテレス (2) 植物・動物・人間の違い、自然の梯子について
第12回ヘレニズム (1)  人はどのように生きるべきか? 自然本性に従って生きる(ストア派)/ 快楽を追求して生きる(エピクロス派)
第13回ヘレニズム (2)  新プラトン主義について。神秘主義とはどのようなものか?
第14回二つの文化圏 ― 西洋文明の二つのルーツ、イスラエルと旧約聖書、イエスの教え (オンライン形式で実施予定)
第15回まとめと期末試験