担当者 | 鬼頭 誠教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [スポーツ医療学科] | |
科目ナンバリング | PUL-201 |
日本国の基本法中の基本法である憲法は、国会で成立する法律とは異なり、主権者の国民に制定・改正する権利と義務があります。それを理解することに講義のねらいがあります。
日本国憲法は世界各国の憲法の中でも異例の長期間、1947年に施行されて以来今日までの75年間、細かな勘違いミスも含め当初から多くの不備・間違い、また、時代の変遷に伴う改正すべき問題があるにかかわらず、政治家や研究者らの怠慢と無関心によって、一言半句も直されずにきました。
憲法に用いられている日本語は1946年当時の「現代口語」ですが、75年も経った現在は一般国民には読めない漢字等が1,000字以上満載の状態。ハンディなポケット六法は出版社側が便宜的に口語・常用漢字に書き換えているため、一見、改正がすんだような体裁だが、実は、原文、原本は古い体裁のまま。現代語・口語への改正は、緊要なる課題なのです。
修正・改正がなされない最大の原因は、憲法制定権力者である国民に主権者意識が希薄なことでしょう。講義を通じて、履修者にその現状を体感してもらいたいと考えています。
憲法は、国会議員たちが制定する民法や刑法などの法律とは次元が異なります。憲法は「国民投票」、つまり、わたしたち国民の判断で改正されます。したがって、普通の国民であっても、全103か条の現在の憲法各条に、9条以外にも、目を通し、大まかでもある程度は内容を知っていることが望まれます。一般職の公務員、警察官・消防官・自衛官の試験でも頻出する憲法問題。就活・試験に役立つ知識を培うことも念頭に進めます。
憲法特講Ⅰでは、「憲法制定にいたった過程」と、第40条まで、つまり「天皇」「戦争の放棄」「国民の権利及び義務」を主に勉強します。
授業は毎回、録音録画され、履修登録した人は講義終了翌日から学期末まで、ポータルサイト(LMS=学習管理ソフト)で視聴することが可能です。
①入門的であり、かつ、発展的な講義内容の理解が深まる。
②主権者としての意識が向上する。
授業内総合評価(発言、レポート等)50%と期末試験50%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 電子書籍『初学者が分かる解説日本国憲法』(2019年 読売電子書籍用テキスト)毎回LMSで配信します。 | 読売新聞憲法問題研究会編 | 読売新聞東京本社 |
参考文献 | 『憲法概説』(2017年)3,000円+税 | 松浦一夫ほか編著 | 成文堂 |
参考文献 | 『憲法 第七版』(2019年)3,200円+税 | 芦部信喜著・高橋和之補訂 | 岩波書店 |
参考文献 | 『世界の憲法を知ろう』(2016年)1,620円 | 西修著 | 海竜社 |
LMS配信、又は教室で配布のプリントを中心に、授業のあったその日のうちに習ったことを確認しておきます。復習が中心ですが予習もすれば興味は大いに高まります。この積み重ねを着実に実行しておけば、期末試験は余裕で臨めます。
シラバスは目安で、適宜変更することがあります。近年まで政治・外交・憲法担当の新聞記者でしたので、日々の新聞報道を活用した授業を心がけます。
授業中の行動はすべて就活に直結すると考えて、礼儀正しく、建設的、現実直視で授業に臨みましょう。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 憲法前史(NHK番組の視聴を含む) |
第2回 | 第1章天皇(女性の皇位継承) |
第3回 | 第2章戦争の放棄(集団的自衛権) |
第4回 | 人権総論 |
第5回 | 国籍と外国人(外国人参政権) |
第6回 | 公共の福祉(非常事態の際の人権) |
第7回 | 法の下の平等(被害者の権利) |
第8回 | 信教の自由(首相の靖国神社参拝) |
第9回 | 表現の自由、学問の自由(報道の自由) |
第10回 | 生存権(平和的生存権) |
第11回 | 経済的自由・義務 |
第12回 | 社会権(公務員の労働基本権) |
第13回 | 人身の自由(死刑) |
第14回 | (オンライン授業) おさらいと改正案の試作をてほどきする |
第15回 | おさらいと授業内試験に代わるレポート(複数課題の中から1テーマを選ぶ) |