西洋史籍講読3-Ⅳ
担当者能勢 和宏教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHEA-406

授業の概要(ねらい)

この授業では西洋近現代史(おおまかにいえばフランス革命から現在までのヨーロッパの歴史)にかかわる重要書籍の輪読を行います。2022年度は、リン・ハント『フランス革命の政治文化』(筑摩書房、2020)を精読することを中心に、ピーター・バーク『文化のハイブリディティ』(法政大学出版局、2012)や長谷川貴彦「文化史研究の射程」(『思想』1074号)などを副読本として授業を進めます。
リン・ハントとピーター・バークはともに今日の世界を代表する歴史家で、とくに「新しい文化史」と呼ばれる分野を開拓したことで知られています。ここでいう「文化」は芸術や文学に限られず、スポーツ、食事、趣味、儀礼(マナー)、身振り手振りなど、非常に広い射程を持ちます。歴史学において「文化」とは何を指し、そして「文化」を通して何を新たに発見することができるのかを一緒に考えていければと思います。
後期の授業では、リン・ハント『フランス革命の政治文化』を輪読し、文化のなかの「政治文化」という観点からフランス革命解釈について理解を深めます。受講者は2回発表を担当し、不明な単語等を調べたうえで本の内容を要約します。発表の後は、全受講者でディスカッションを行い、さらなる疑問点の解明、意見交換を進めるかたちで授業を行います。

授業の到達目標

・資料を読解し、他者に発信できる
・自ら読解した資料の多様な歴史的価値を他者に説明できる
・自ら読解した資料の多様な歴史的価値判断を議論によって互いに改善し、新たな価値を見出せる

成績評価の方法および基準

授業内での2回の発表:60%、ディスカッションへの参加度:40%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書フランス革命の政治文化リン・ハント(松浦義弘訳)ちくま学芸文庫
参考文献

準備学修の内容

授業で取り上げる箇所について事前に一読し、不明点や疑問点、自分の意見をまとめたうえで授業に臨むこと

その他履修上の注意事項

本授業に限らず講読の授業は前年度に受講者を決定しているので、名簿に記載されていない学生が教員の許可なく履修登録を行わないように

授業内容

授業内容
第1回・授業運営についてのガイダンス
・発表分担の割り当て
第2回・オンライン授業:『フランス革命の政治文化』を読む前の準備学習
・リン・ハントの歴史学論について説明する
第3回『フランス革命の政治文化』序説「フランス革命の解釈」を読み、その内容についてディスカッションする
第4回『フランス革命の政治文化』第1章「フランス革命のレトリック」前半を読み、その内容についてディスカッションする
第5回『フランス革命の政治文化』第1章「フランス革命のレトリック」後半を読み、その内容についてディスカッションする
第6回『フランス革命の政治文化』第2章「政治的実践の象徴形式」前半を読み、その内容についてディスカッションする
第7回『フランス革命の政治文化』第2章「政治的実践の象徴形式」後半を読み、その内容についてディスカッションする
第8回『フランス革命の政治文化』第3章「急進主義の心象表現」前半を読み、その内容についてディスカッションする
第9回『フランス革命の政治文化』第3章「急進主義の心象表現」後半を読み、その内容についてディスカッションする
第10回『フランス革命の政治文化』第4章「フランス革命の政治地理学」前半を読み、その内容についてディスカッションする
第11回『フランス革命の政治文化』第4章「フランス革命の政治地理学」後半を読み、その内容についてディスカッションする
第12回『フランス革命の政治文化』第5章「新しい政治階級」前半を読み、その内容についてディスカッションする
第13回『フランス革命の政治文化』第5章「新しい政治階級」後半を読み、その内容についてディスカッションする
第14回『フランス革命の政治文化』第6章「アウトサイダー、文化の媒介者、政治的ネットワーク」前半を読み、その内容についてディスカッションする
第15回『フランス革命の政治文化』第6章「アウトサイダー、文化の媒介者、政治的ネットワーク」後半を読み、その内容についてディスカッションする