日本社会史Ⅰ
担当者浜井 和史教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-233

授業の概要(ねらい)

 本授業は、「葬制からみる日本史」をテーマとして、原始・古代から現代にいたる日本の葬送と墓制の歴史について解説する。天皇から庶民にいたるまで、日本人は死者をどのように弔ってきたのか。この問題は単なる葬送儀礼や墓の変遷のみならず、日本人の死生観や国家による死者の管理の問題など、社会の成り立ちの根幹にかかわる重要なテーマである。「葬制」という切り口から日本社会のあゆみをたどることで、コロナ禍のもとで葬儀や墓のかたちが大きく変容しつつある現代の日本社会を理解するための材料としたい。

授業の到達目標

・原始・古代から現代にいたる日本の葬制に関する基本的な知識を習得する。
・各時代の葬制の特質について理解し、説明する能力を身につける。
・葬制や死生観をめぐる問題について、幅広い視点で考察する能力を身につける。

成績評価の方法および基準

 学期末レポート課題(50%)と授業内の小課題(40%)、平常点(10%)で評価する。レポート課題は、授業内容をよく理解して書けているかが評価基準の重要なポイントとなる。ネットからの剽窃やコピペ等は不正行為とみなして然るべき処置をとる。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 特にテキストは使用せず、適宜、授業内で紹介していく。
参考文献『日本葬制史』(2012年)勝田至編吉川弘文館
参考文献『〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓』(2017年)小谷みどり岩波書店

準備学修の内容

・授業は「葬制」に関する内容が中心であるので、その背景となる日本史の各時代の基礎的知識については各々で積極的に習得する努力を怠らないこと。
・レポート課題は、授業内容をよく理解しているかが評価基準の重要なポイントとなるので、授業後はノートや配布資料の見直しなどにより知識の定着をはかること。

その他履修上の注意事項

・普段から・現代の葬儀事情に関連するテレビ番組や新聞・雑誌記事に目を通すよう心がけること。
・対面授業中の私語や携帯・スマホの使用は厳に謹むこと。行為によっては退出を命じることや、以後の受講を認めない場合がある。
・オンライン授業の実施については変更もありうるので、指示をしっかりと確認すること。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回原始・古代の葬制1
第3回原始・古代の葬制2
第4回中世の葬制1
第5回中世の葬制2
第6回中世の葬制3
第7回中間まとめ
第8回近世(江戸時代)の葬制1
第9回近世(江戸時代)の葬制2
第10回近代の葬制1
第11回近代の葬制2
第12回近代の戦争と葬制
第13回現代の葬制1
第14回現代の葬制2
第15回春期授業のまとめ