経営組織論Ⅱ
担当者楊  錦華教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングMAN-202

授業の概要(ねらい)

近年経営組織に関する研究分野のなかで、経済学と経営学の両方にまたがる学際的な学問領域、組織の経済学が注目を集めています。この授業では、組織経済学の中で、取引コスト理論とエージェンシー理論、所有権理論から構成される「新制度派経済学」と呼ばれる理論アプローチを体系的に理解したうえ、それに含まれるそれぞれの理論を用いて実際の企業組織における諸問題をどのように分析できるかを学習します。

授業の到達目標

(1)経営組織の研究分野における問題点と組織経済学が生成した背景を把握し、新制度派経済学を体系的に把握することができます。
(2)新制度派経済学における3つの研究アプローチの基本原理を理解し、その理論的な視点から実際の企業組織における諸問題を分析することができます。
(3)授業で勉強した新制度派経済学の理論を応用し、日々起きている経済・経営現象を分析し、それに対する自らの見解を述べることができます。

成績評価の方法および基準

授業内小テスト・課外課題(50%)と期末試験(50%)で総合的に評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『(改訂版)組織の経済学 入門』 、2018年。  菊澤研宗有斐閣
教科書参考文献
授業中適宜指定します。
参考文献

準備学修の内容

(1)当授業は授業内容に合わせて、受講生の理解を深めるために課外課題の提出を求めています。成績評価の一環となりますので、成績評価の一環となりますので、提出締切日までに必ず提出してください。
(2)日常の企業組織に関連するニュースや報道に関心を持ち、授業で学んだ理論知識を応用し、様々な経営現象を分析し、自らの見解を述べられるように心がけてほしい。

その他履修上の注意事項

(1)授業はスライド方式で授業内容を示しながら進めていく形式を取っています。事前にLMSから授業レジュメを印刷し教室に持参して、ノート代わりに使ってください。
(2)授業を受ける際に、必ず指定された教科書の授業内容を事前に予習しておいてください。
(3)当授業は教員と受講生の双方向コミュニケーションに基づいた授業を目指しています。授業中の質問に対し積極的に発言し、授業参加意欲の高い受講生を望んでいます。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
授業内容・計画・評価方法を説明し、受講生と一緒に受講ルールについて話し合い決めます。
第2回組織の経済学登場の歴史
組織経済学の生成と背景、新制度派経済学の理論的仮定とそれに含まれる3つの研究アプローチを学習します。
第3回取引コスト理論の基本原理
R.コースの新古典派経済学批判と取引コスト理論の基本原理を学習します。
第4回取引コスト理論と組織デザイン
異なる組織形態に関する取引コスト理論の分析について学習します。
第5回取引コスト理論と経営戦略(1)
取引コスト理論による組織の境界と垂直的統合への分析について学習します。
第6回取引コスト理論と経営戦略(2)
ダイナミック・ケイパビリティ論による垂直的統合の状況分析について学習します。
第7回取引コスト理論と多国籍企業
多国籍企業の系譜を概観した上、取引コスト理論を用いて日米多国籍企業の違いについて分析します。
エージェンシー理論の基本原理について学習します。
第8回エージェンシー理論の基本原理
エージェンシー理論の基本仮定と基礎概念、理論的構想について学習します。
第9回エージェンシー理論とコーポレート・ガバナンス
エージェンシー理論の企業観を説明した上、企業における様々なエージェンシー関係とガバナンス制度との関係について学習します。
第10回エージェンシー理論と組織形態
エージェンシー理論から様々な組織形態の違いについて分析します。
第11回エージェンシー理論と人事労務
情報の対称性の違いがエージェンシー関係にもたらす影響を学習した上、エージェンシ理論を用いて日米独の異なった賃金制度について分析します。
第12回オンライン授業~エージェンシー理論の事例研究
特集番組の視聴を通じて、エージェンシー理論を用いてレオパレスの「界壁など施工不良問題」について分析しましょう。
第13回所有権理論の基本原理
所有権理論の基本仮定と基礎概念、理論的構想について学習します。
第14回所有権理論と企業組織
所有権理論を用いた企業形態、組織文化への分析を学習します。
第15回まとめと復習