パーソナリティと個人差
担当者敷島 千鶴教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [心理学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSOP-101

授業の概要(ねらい)

 私たち人間の心理や行動はなぜ一人ひとり違うのか。親の育て方の影響なのだろうか。友人関係に原因があるのだろうか。それとももって生まれた遺伝子の違いによるのだろうか。本講義では人間の個性をパーソナリティ(人格)と感情からアプローチすることを通して、パーソナリティの基礎的な研究方法を習得し、科学的実証研究の知見を古典から最先端まで幅広く理解していく。とくに、行動遺伝学の方法論を用いた研究を導入することにより、パーソナリティと感情の遺伝にも焦点をあて、人間の多様性を理解するひとつの視座を養うことを目指す。

授業の到達目標

 ⓵心理学の幅広い分野にわたる、こころに関する知識や法則を理解できる。
 ② パーソナリティの構造を理解できる。
 ③ パーソナリティが個人によって異なる理由を説明できる。

成績評価の方法および基準

 学期末試験(80%)と、課題レポート及び掲示板での発言(20%)によって評価する。
 試験では、パーソナリティの構造をどの程度理解できたか、パーソナリティが個人によって異なる理由をどの程度説明することができるかについて問う。試験翌週の授業内で、試験問題の解説を行い、講評を行う。
 レポートでは、パーソナリティの遺伝と環境に関する問いを設ける予定である。LMSでフィードバックを行う。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 教科書は指定しない。資料プリントを配布し、LMSへアップロードする。以下の5冊を参考図書とする。
参考文献『はじめて学ぶパーソナリティ心理学―個性をめぐる冒険』 小塩真司著ミネルヴァ書房
参考文献『パーソナリティ心理学概論―性格理解への扉』 鈴木公啓編ナカニシヤ出版
参考文献『本当のかしこさとは何か―感情知性(EI)を育む心理学』 日本心理学会監修 箱田裕司・遠藤利彦編誠信書房
参考文献『知能』 イアン・ディアリ著 繁桝算男訳岩波書店
参考文献『頭のでき』 リチャード・E・ニスベット著 水谷淳訳ダイアモンド社

準備学修の内容

 指定した論文を読み、わからない箇所は自分で調べてから授業に臨むことを求める。毎回の授業後は、配布資料をもとによく復習をし、下記「授業内容」に挙げた問いに対する説明を考え、自分の言葉でまとめておくこと。わからない箇所はLMS掲示板を使って質問して欲しい。

その他履修上の注意事項

 講義中心で進めていくが、自身の感情や、パーソナリティ、認知能力を測定してもらうことがある。
 LMSの本科目サイト内に、授業に関する情報を掲載する。履修者は毎週アクセスすること。

※ 2018年度以降の入学生には、公認心理師受験資格に必要な科目です。
 2017年度以前の入学生は、心理学科のホームページを参照してください。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス
第2回 パーソナリティ心理学の研究の歴史について学ぶ
 「パーソナリティって何?」
第3回 パーソナリティの記述―類型論―について学ぶ
 「あなたのパーソナリティは何型?」
第4回 パーソナリティの記述―特性論―について学ぶ
 「あなたのパーソナリティはどれぐらい?」
第5回 パーソナリティの測定について学ぶ(1)
 「パーソナリティってどうやって測るの?」
第6回 パーソナリティの測定について学ぶ(2)
 「パーソナリティテストってどうやって作るの?」
第7回 パーソナリティの測定について学ぶ(3)
 「よいパーソナリティテストってどういうの?」
第8回 パーソナリティの個人差について学ぶ(1)
 「パーソナリティって親から受け継ぐの?」
第9回 パーソナリティの個人差について学ぶ(2)
 「なぜ同じ家に育ったきょうだいでもパーソナリティが違うの?」
第10回 認知能力のしくみについて学ぶ
 「頭が良いってどういうこと?」
第11回 認知能力の測定について学ぶ
 「認知能力ってどうやって測るの?」
第12回 認知能力の個人差について学ぶ
 「頭の良さって一生変わらないの?」 
第13回<オンライン> 
 感情的知性について学ぶ
 「本当のかしこさって何?」
第14回 学期末試験 まとめ
第15回 試験問題の解説 総括