保育内容の指導法(環境Ⅰ)
担当者杉本 真理子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングESS-205

授業の概要(ねらい)

 子どもは周囲の環境から影響を受け、また自ら環境に働きかけるという環境との相互作用を通じて成長する。子どもの育つ環境には、広くは地球環境、周囲の自然環境、園やその周辺の環境などの物理的環境に加えて社会環境や地域の文化的環境、家庭や保育園などでの人的環境も含まれる。本授業では保育所保育指針および幼稚園教育要領における領域「環境」の意義と目的について理解し、環境による保育つまり子どもが環境と関わりながら好奇心・探究心を育み成長・発達していく過程をどのように導くかを具体的に考えていくことを目的とする。ここでは主に身近な動植物などの自然環境を通じた保育について、グループ活動により実践的に学んでいく。学生自ら畑を耕し、種をまき、苗を植えて野菜を栽培し、また季節の風物を取り入れた行事を行うことで体験的に学び、その体験を通じて保育計画を考えていく。

授業の到達目標

 自ら身近な自然などの環境に積極的に関わり、子どもに働きかけられるような感性を養い、必要な知識を持つ。実践的に学び、体験を積み重ねることで、保育の引き出しを増やしていく。保育現場で授業体験を再現または応用するなど発展的に実践できる力を身につける。

成績評価の方法および基準

 平常点(授業への参加態度、取り組み姿勢)50%。活動と観察の記録レポート50%。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『幼稚園教育要領解説〈平成29年3月告示〉解説』
教科書『保育所保育指針解説〈平成29年告示〉解説』
教科書『幼保連携型認定こども園教育・保育要領 解説』
教科書授業時に資料を配布するとともに参考文献を随時紹介する。
参考文献

準備学修の内容

日頃から、近くの里山や公園、植物園、動物園などに積極的に足を運んで観察、採集を行ったり、図鑑や絵本など関連の本を読むなど意識的に行動する。授業で体験したことを裏付け、系統的に整理し、さらに発展させるための学習を並行して行う。

その他履修上の注意事項

実習・演習を含むので、積極的に体と頭を働かせて自ら授業を作っていってください。座学ではなく作業中心なので遅刻するとグループに迷惑をかけます。畑に入って作業を行うので、それを想定した服装で出席すること。毎回、畑や野外作業があります。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション:授業の内容や参考文献等の説明。ジャガイモの定植。ジャガイモのガイダンス(図鑑や絵本も紹介)。
第2回私たちのまわりにはどんな自然があるだろうか? 身近な環境を保育に取り入れるとはどういうことか。
野菜栽培に必要なさまざまな作業と基礎知識ガイダンス。グループ編成について。
第3回春探し:大学内および周辺、自宅の周辺を歩き、春の植物などを探し、採集・スケッチする。春探し、夏探しは前期を通して行う(授業以外の自主学習としても実施し記録)。
野菜の栽培を始める:土作り、畝作り。野菜栽培、畑の整備の作業は毎回行う。
第4回春探しのつづき。春夏の植物についてガイダンス。
夏野菜の苗を植える。ミニトマト、キュウリ。夏野菜についてのガイダンス。
第5回子どもの育つ環境をさまざまな視点から考える。「環境を通して行う保育とは」。(ゲスト講師:ベテラン保育士のお話)
第6回前期終了まで栽培を継続し、野菜の栽培・収穫を通じた保育を考える。畑とその周辺でみられる昆虫や小動物を通じて自然との関わりを考える。
第7回藍の定植(変更あり)。藍についてのガイダンス。
第8回サツマイモの定植。サツマイモについてのガイダンス。
第9回身近な自然体験を保育に生かすパネルシアターの指導。
第10回季節の自然・風物を取り入れた保育を考える。実際に幼児と共に作業する(可能な場合)。
第11回藍の収穫と藍染の体験。
第12回伝統行事として七夕を実施。笹の採集、七夕の飾りつけ。七夕の物語(紙芝居)、歌など。
第13回ジャガイモの収穫と試食。その他、成長した野菜の収穫。
第14回野菜の収穫を通じて「いのち」「自然」「環境」について園と家庭と地域とのつながりの中で、保育を考える。
第15回オンライン授業