金融論Ⅰ
担当者冨田 秀昭教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [現代ビジネス学科]
科目ナンバリングMOF-201

授業の概要(ねらい)

 金融論のカバーする分野はかなり広範に及びます。家計・企業の資金調達や運用(ファイナンス)、金融機関によるリレーションシップ・バンキング、日本銀行による非伝統的金融政策、ユーロ圏諸国で発生した債務危機(ユーロ危機)問題など、これまで報道で取り上げられてきた事項のごく一部を列挙しただけでも、扱う分野の広さは理解できるでしょう。
 「金融論」の授業では、経済学の理論的知識に基づいて金融の現実を理解し、金融と日本経済の実態との関係を説明できるようになることを目指します。
 「金融論Ⅰ」では、経済学の理論的知識に基づいて金融の基礎的な事項を理解したうえで、マクロ経済における金融の役割、さまざまな金融の形態、制度的枠組みを説明できるようになることを目標とします。

授業の到達目標

 ① 経済学的知識を用いて、貨幣、金利などの金融の基礎的事項を理解し、説明できる。
 ② マクロ経済における民間金融と金融政策の役割、さまざまな金融の形態、制度的枠組みとしての金融システムについて説明できるようになる。

成績評価の方法および基準

 (1)小テスト(到達目標①、②) 40%(重要な概念や用語の理解を問うもので、計4回、不定期に実施)
 (2)期末試験(到達目標①、②) 60%(全範囲を対象として理解度を問うもので、最終授業時に実施)
 ・小テストの講評、解説については、次の授業時間内で実施します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『金融論(第3版)』家森信善中央経済社、2022年
参考文献『金融システム(第4版)』酒井良清・鹿野嘉昭有斐閣、2011年
参考文献『入門・日本経済(第6版)』浅子和美・飯塚信夫・篠原総一有斐閣、2020年

準備学修の内容

 (1)事前に参考書の関連部分を熟読し、疑問点などをチェックして授業に臨んでください。
 (2)授業内容の要点を記載したレジュメを毎回配付するほか、必要に応じて配付する資料に基づいて、入門レベルの金融論で必要な論理的な考え方を丁寧に解説することを心掛けるつもりです。帰宅してから、その日の授業で学修した内容を見直すなど、復習に重点を置いて取り組んでください。
 (3)配付するレジュメは空欄穴埋め方式とするので、授業を聴きながら該当箇所に用語を記入していくこと(レジュメの完成版は次の回の授業で配付します)。

その他履修上の注意事項

 (1)入門レベルの金融論を体系立てて理解するため、「金融論Ⅱ」の連続履修を希望します。
 (2)授業中の私語など、他の受講生に迷惑を掛ける行為があった場合には、成績評価に際して大幅減点、あるいは不合格とすることがあります。

授業内容

授業内容
第1回 <ガイダンス>
 授業目的、授業方法、成績評価、準備学修および授業内容について
第2回 <講義> 貨幣とは
第3回 <講義> 金利と金融市場
第4回 <講義> マクロモデルと金融:IS-LMモデル
第5回 <講義> 貨幣供給のメカニズム
第6回 <講義> 金融政策の概観(1):伝統的金融政策
第7回 <講義> 金融政策の概観(2):非伝統的金融政策
第8回 <講義>(オンライン授業) 間接金融
第9回 <講義> 直接金融
第10回 <講義> 公的金融と財政投融資
第11回 <講義> 金融システムの安定化のための政策
第12回 <講義> 金融機関の破綻への対応策
第13回 <講義> 金融市場に関する規制
第14回 <講義> 主な金融商品(間接金融型・直接金融型)
第15回 <まとめ>
1)授業の総括
2)期末試験