担当者 | 麻生 憲一教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [国際経済学科] | |
科目ナンバリング | ECT-206 |
講義の目的は、さまざまな観光現象を経済学的手法(マクロ経済学)に基づいて解説し、受講生自らがその手法に基づき分析し、判断できる能力を身につけることである。
まずマクロ経済学の視点を明確にして、消費者(家計)・生産者(企業)・政府(地方自治体)の経済主体の下で経済構造を把握する。その上でGDPなどのマクロ経済指標を定義する。そして、消費者行動、企業行動を理論的に把握し、均衡国民所得の決定や投資における乗数効果・産業連関分析などを理解する。また、マクロ的視点から国際観光を経済学的に捉え、所得効果、為替効果、価格効果などを具体的事例に基づき把握する。最後にマクロ経済学的視点から観光経済学の応用可能性や持続可能性の問題について論じる。
本講義は、毎回リアクションペーパーを通じて講義内容の理解度を把握する。
①観光に関わる経済学的基礎知識を理解し、その下で観光現象を説明することができる。
経済学的基礎知識とは以下を指す。
1)観光現象とマクロ経済学との関わりを理解する。
2)マクロ経済学の基本的概念を把握する。
3)観光の経済波及効果などを理解する。
4)国際的視点(インバウンド・アウトバウンド)から観光の動向を把握する。
5)国土政策としての観光まちづくりを理解する。
6)観光統計のあり方を理解する。
②修得した経済学的基礎知識等を活用し、観光に関するさまざまなマクロ的課題を発見・解決する思考力を持つことができる。
観光に関するさまざまなマクロ的課題とは以下を指す。
1)観光客の観光行動やブームなどから生じるマクロ的課題
2)経済主体(観光者・企業・政府)の行動様式からもたらされる課題
3)観光消費の不足から生じる課題
4)オーバーツーリズムから生じる課題
5)観光統計のあり方から生じる課題
中間レポート(20%)
リアクションペーパー・受講態度(20%)
期末テスト(60%)
前回の講義内容を必ず復習しておくこと。
また教科書・参考書などで事前に講義内容を把握しておくこと。
新聞やSNSを通じて経済や観光に関連する記事や情報を入手し、把握しておくこと。
この講義をより一層理解するためには、マクロ経済学の講義を受講することが望ましい。
図表を板書することが多いので、定規などを用意しておくこと。
なお本講義では、経済学ならびにマクロ経済学の基礎的な知識が必要な場合がある。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション 講義概要の説明 |
第2回 | 観光におけるマクロ経済学的視点 |
第3回 | マクロ経済指標(GDP・NNP・NI)と算出方法 |
第4回 | 観光と消費者行動(消費仮説) |
第5回 | 観光と生産者行動(投資理論) |
第6回 | 均衡国民所得の決定(45度線分析) |
第7回 | 観光と乗数効果(生産波及効果) |
第8回 | 国際観光動向Ⅰ(アウトバウンド) |
第9回 | 国際観光動向Ⅱ(インバウンド) |
第10回 | 観光と経済効果(所得効果・為替効果・価格効果) |
第11回 | 観光と地域経済(観光まちづくりと経済効果) |
第12回 | 観光の経済統計と整備 |
第13回 | 観光と自然環境(経済評価) |
第14回 | 持続可能性(観光とSDGs) |
第15回 | 総括 |